経営/マネジメント

安全書類の重要性と作成のポイントについて建設業経営者がお話しします!

建設現場の安全衛生管理を適切に行ううえで必要不可欠なのが安全書類(グリーンファイル)。一方で「提出書類が多くて大変…」「種類がたくさんあってわからない…」「時間がなかなか取れない…」など、安全書類の作成に課題を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

夫とともに鉄筋工事業を営む“自称・鬼嫁”こと『なあ062』さんは、そんな安全書類の作成を得意としているとのことで、今回、安全書類に関する考えや作成のポイントなどをお話しいただきました。

安全書類の作成にお困りの方は、ぜひ参考にしてください!

【教えていただいたのは…】

なあ062さん
関西方面在住|30代夫婦で鉄筋工事業経営|2019年から技能実習生を受け入れ|本サイト連載コラム「建設会社会長!? 自称・鬼嫁?奮闘記」著者

安全管理のために書類が多くなるのは当然

確かに安全書類は量が多いなと思う面もあります。ですが、例えば弊社は躯体工事のため、事故が起きれば死亡事故につながる可能性も高く、政府労災に加えて民間の上乗せ保険に入っておくこと、そしてそれを書類上で明記しておくことは必須です。

また近年、夏場は熱中症警戒アラートが出るほど暑さが厳しいときもあり、現場では元請側が熱中症対策をしっかりしてくれるので、それにきちんと従って作業をしないとお互い困ることになりかねません。

そう考えると、現場の安全衛生管理のために1つひとつの書類を確認し、必要な提出物をそろえることはとても大切で、物量が多くなるのも当然なのかなと私は思っています。

安全書類作成のポイント① 見本をつくってファイリング

弊社では私が安全書類の作成を担当していて、法人化する前の個人事業主のころからなのでもう10年ほどやっています。

慣れないうちや新しいことが増えたとき、例えば技能実習生や特定技能など外国人労働者の受け入れを始めたことで必要な書類が追加されたり、元請企業によって作成したことがない書類に遭遇したりすると、その都度、見本をファイリングしておくなどして必死で覚えてきました。

今では見本まみれ、書類まみれ、スマホの中も書類のPDFだらけになってますが笑

私がしないと、かわいい従業員たちが現場に入場できなくなってしまうので、私自身はこの作業を苦だと思ったことは一度もありません。

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安全書類作成のポイント② 日ごろから“更新日”をメモ

私が安全書類を作成するうえで心がけていることとしては、各種提出書類に関わるいろんな“更新日”を日ごろからメモしておくということです。

例えば健康診断の受診日や車検の期間などの提出を求められることがありますが、わからなくなってしまわないよう、更新するごとに毎回、Excelに入力して保存しています。また、従業員が新しい資格を取得したり、住所変更があったり、従業員が増えた場合などは、必ず同じ日にすべてのシステムへ登録します。

間が空くと人間なので忘れちゃうんですよ(°_°)

何をするにも最新の情報に更新しておくことが必要なので、一番は各種の更新日を確認すること。これをしておかないと本当に困ります。まずは自社の従業員の情報を整理してファイリングし、手書きでもいいので何か更新があれば必ずメモしておくのがおすすめです^ ^

安全書類作成のポイント③ システム系はとにかく触る

安全書類の作成において、「グリーンサイト」や「Buildee」など各種システムを使う機会も増えているのではないでしょうか。操作に慣れていなかったり、難しいと感じたりすることがあるかもしれませんが、私はとにかく使って覚えたので、これに慣れるには正直、触るしかないと思っています笑

建設キャリアアップシステム(CCUS)なんかもそうですが、こういうシステム系はとりあえずマニュアルや注意書きをしっかり読み、いろんなボタンをクリックしてみるに限ります。そうすると「この作業をするにはこの項目が必要なんだな」というのがわかってくるので、それをメモするなどして覚えるようにしています。

安全書類での困りごと「法人でも建設国保はあり得ます!」

安全書類関係で困ったことがあるのは健康保険です。弊社は法人ですが、“協会けんぽ”ではなく“建設国保”に加入しています。個人事業主からの法人成りで、個人のときに加入した建設国保に「法人になってもそのまま残れるよ!」と組合の方や税理士の先生から教えていただいたので継続することにしたんです。

組合員に支給される祝金や各種資格を取得する際の支援制度などもあり、建設国保のままで良かったなと感じているところではあるのですが…

適用除外承認申請という手続きをすれば、法人でも建設国保と厚生年金で社会保険加入の確認が取れるはずなのに、それがあまり浸透していないのか、現場に提出すると「法人なのになんで国保なの?」と説明を求められることがあります。

安全書類作成ソフトの登録でも、建設国保の写しをアップロードしたところ

「違う書類が添付されている」
「在籍会社名が載っていない(※建設国保の場合、保険証に社名は記載されません)」

といった勘違いからくる指摘をつい先日も受けました。

建設国保組合から発行される組合員資格証は、協会けんぽと同じ扱いであることを示すものなので、それを見せながら説明することもしばしばですが、そんなことをしなくてもいいようにしっかり是正してほしいなと、めっちゃ切実に思っています!

安全書類作成の外部委託も選択肢の1つ

私が安全書類の作成や各種システムの扱いに慣れていることから、同業他社さんに書類作成のフォローや代行などを頼まれることもあります。依頼してくださるのはやはり、書類作成の時間をなかなか確保できないという方が圧倒的に多いです。

担当の方が現場に出ることもあったり、家族経営の会社さんだと奥様が事務作業をしながら兼業で別の仕事もされていたり、また近年増えている安全書類作成ソフトの操作方法が分からず「人はいるが対応できていない」というお悩みを抱えている会社さんもいらっしゃいます。

安全書類を「私は苦だと思っていない」と言いましたが、対応が追い付かない方がいらっしゃるのも事実で、そうした方の負担を少しでも減らすお手伝いができたらと思っています。

これまでは個人でやっていたのですが、そんな私もこのたびご縁があり、安全書類業務委託サービス『安全書類のしんごくん』を運営するInnovation Group合同会社と業務提携を結びまして、同サービスで受注した書類の作成などを一部担当させていただくことになりました。

自社業務で忙しいとき以外はこちらの対応をしております。私も知識をさらに増やし、皆様に安心して委託していただけるよう精進してまいります(^-^)

担当のご指名は、指名料いただきますよー!!

というのは冗談で笑
ご興味のある方はホームページをチェックして、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ!

【安全書類のしんごくん】https://www.anzen-shingo.com

【Innovation Group合同会社】https://www.innovation-gp.net/

特に大きな現場になればなるほど、労災事故が起きた際に問題になるのが安全書類です。どこの企業の下請で、保険は上乗せ労災や特別労災に入っているか、などが明確にわかることが大前提。書類に記入漏れやミスがあると大変なことになってしまいます。

その重要性をあらためて認識していただき、時には専門に委託して負担を減らすことも選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

今回もありがとうございました♪

著者:なあ062

著者:なあ062

関西方面在住。夫が社長を務める鉄筋工事業の会社を20代から一緒に経営。会社では事務・経理・顧問先との打ち合わせ等をこなし、料理や裁縫も得意。介護士の資格も持つ。「会社も家庭もほぼ権力を握ってます(笑)。口も達者な鬼嫁です」(本人談)

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