第13回:“ペーパーな技術者” これはおススメできない【若手社員向け建設業界の豆知識】
りゅう坊です!
今回のタイトルにある、ペーパーな技術者。
これは、私の勝手な想いによって表現していますのでご容赦くだされば幸いです。
「“ペーパーな技術者”がおススメできない」とは、要は、書面だけを管理するような技術者に留まらず、「自身でも実作業が実践できるぐらいの技術者であれ!」という意味合いです。
ただし、誤解しないでください。
何も「職人並になれ」というわけではないですし、「実作業をやりなさい」ということでもありません。
管理者として現場に常駐している場合、その職務を遂行することが大前提です。
ですが、管理上、作業の現実的なスピードやペースを把握するためには、自身の目で作業を観察し、確認することが絶対です。机上の管理だけでは、本当のスピードやペース配分を把握することが難しいからです。
工事期間は限られている
工事には必ず工期というものが設定されます。いわば、完成までの時間が決められています。
当然、時間との勝負です。
ひとつひとつの工種における時間配分の合計が、全体工程の総時間となります。工種ごとにどれだけの時間が必要であるか、おおよそであれ自身の頭の中でイメージできないと、実施工程を計画することに苦慮します。
もっとも、計画段階に設計の歩掛や発注者の設定した工期をもとに工程表は作成できます。しかし、より現実ベースに合わせるためには、実際に近い時間のイメージが必要不可欠です。
だからこそ“ペーパーな技術者”、すなわち書面だけを管理するような姿勢は技術者としておススメできないというわけです。
そのために常日頃からできる限り現場へ足を運び、とにかく自分の目で確かめることが重要だと考えます。
以前のコラム(第9回『問題は現場で起きている』)で紹介した3つの“みる”、見る(見て回る)・観る(観察する)・診る(診断する)。それはここにもつながるのです。
イメージをカタチにしていく
設計書…どういう仕様で
設計図…こういう形で
ここに発注者からの要求が込められています。
これに沿ってつくっていくわけですが、途中の過程は施工者に委ねられています。
ここが技術者の腕の見せ所。
要求に応えるために工事を進めていく、その過程こそが最も重要なのです。
単に示された形状寸法でつくればいい、というものではなく、少しでもいいものにしていく、この姿勢がとても大事です。
最終的には図面に示されたものが出来上がるのですが、その過程ではイメージを重ねて徐々にカタチにしていく、ということです。
イメージができていると強い
工事のゴールまでイメージができていない場合は、不安や心配ばかりが付きまとうことになります。
「できるかな?間に合うかな?大丈夫かな?」
この状態だと、精神的にも辛く苦しいものになります。
工事を管理する技術者にとって、考える、思考することがなにより大事な作業であると、実践から痛感してきました。
考える、思考するためには、まず工事全体の流れをおおまかでも自分なりにイメージしてみることです。これができると“考える手助け”になりますし、イメージを持っていると非常に強いです。
現場監督はある意味、“勝負師”
勝負師と言っても、工事に勝ち負けがあるわけではありませんが、チームの総指揮官ということになります。
ただ、個人的には時として勝負勘も必須だと考えてきました。
総指揮官の役割は多く、
・原価管理・資材調達・工程管理・品質管理・出来形管理・安全管理・顧客対応・地元対応 など
挙げてみると、あらためて大変さを感じてしまいます。
でもその分、やりがいもあるのです。
しかし、すべてを自分でやろうとしてしまうと危険です。まわりの人にも頼りながら、うまく采配を振れるかどうかも指揮官としての力量となるわけです。
ブレない“芯”を持つことが大事
第一に頭に入れておくべきことは、工事はすべてが順調に進むものではない、ということです。なにかしら苦慮するポイントが出てきます。
- 構造的なもの
- 人員的なもの
- 予算的なもの
- 日程的なもの
こういったポイントに対処する場合、考えがブレブレだと処理できない事態になりかねません。
『適当にやればいいか』とか
『なんとかなるだろう』とか
『流れに任せておこう』とか
このような気持ちを持ってしまうと、うまくいかない状態を招いてしまいます。
深刻に、窮屈に考える必要はありませんが、あらゆる場面を想定して、ブレない自分を準備しておくことが求められます。
『これは、曲げられない』
『折れるわけにはいかない』
一本の“芯”を持つことも必要です。
ストレートな感情ばかりは禁物!
総指揮官として、采配を振るのは重責です。真面目な人ほど、几帳面に考え過ぎて自身を苦しめ、追い込んでしまいます。重責とは言え、重く捉えて周りが見えなくなる状況だけは避けたいものです。
そうは言っても、簡単にコントロールできることではないかもしれません。なので、考えることや気持ちの持ち方が非常に大事になってきます。
気持ちの中に持っておくといい要素を挙げておきますので、取り入れてみてもらうとチカラになると思います。
- 臨機応変
- 遊び心
- 融通
- 聞く耳
- 信任
何もかもをストレートに攻めるのではなく、時と場合によって柔軟さを見せることにより、相手にも自分自身にも一助に成り得ると考えます。
芯のある人ほど、柔軟な人ではないかと思います。
ぜひ、“ペーパーな技術者”ではなく“スーパーな技術者”を目指すことで、自分自身のパワーアップに取り組んでみてください。
作者紹介 りゅう坊さん
作者紹介 りゅう坊さん