現場ノウハウ

第9回:問題は現場で起きている【若手社員向け建設業界の豆知識】

りゅう坊です!

「百聞は一見にしかず」

工事現場では、この言葉がピタッときます。もちろん、関係者から状況説明を聞くことはとても大切ですし、それでおおよその概要や現場の状況は理解できます。
ですが、なんといっても聞くばかりよりも自分の目で確かめるのが一番の得策なのです。

現場の課題克服には“3つのみる”

リアルな工事現場では、その場所の臨場感、空気感というものがあります。机上だけで考えていても実際の場面が見えません。想像ばかりしなくてはならなくなります。
なので、その場に行って確かめるのが、聞くよりも百倍効果があるのです。

時に、聞いただけの情報は自分本位の解釈にしてしまう要素を含んでいます。
良くない方向へ判断してしまわないためにも「自分の目で確かめる」。技術者なら優先して持っておくべき思考なのです。

構築する建造物すべてに言えることですが、

  • 完成イメージ
  • 作業スペース
  • 仮設備の計画
  • 構築位置の確認

これらは実際の現場に行き、目で見ながら考えることをおすすめします。
工事に着手すると、必ず何かしら頭を悩ませることやトラブルが発生します。着手から完成まで何も問題なく終わることは、まれです。

着手前の問題を低減すること、施工途中の課題を克服するためには、

  • 見る(見て回る)
  • 観る(観察する)
  • 診る(診断する)

“3つのみる”が重要になります。

現場に何度も足を運び、考えながら動く

「場数を踏む」とは、読んで字のごとく、数多く足を運んで経験することです。
数を重ねることによって少しずつ、力が養われていきます。現場に数多く足を運ぶことで、さまざまなものが明確化されます。

書籍による学習や資格を得るための勉強ももちろん必須です。
その学習で得た理屈を現場で実践するためにこそ、数多く現場に足を運ぶことが大事なのです。机上だけの推測・予測・判断はいささか危険が伴います。

「現場の空気を吸う」
「土や木に触れる」
「水の流れを見る」
「風の吹き方を感じる」
「足元の状態を確かめる」

これらは現場じゃないと体感できません。工事は現場でやっているのです。第一優先は臨場であると捉えて、考えながら動くことが大事です。

どれだけ時代が変わっても継承したい“人の手の技術”

近年、工事のスタイルもかなり様変わりしてきました。

ICTなどにより、安全面においても、出来形管理の面でも、画期的な進化を遂げています。
人手が少なくても済むようになり、要らなくなるポストも出てきそうですが、あえていうなら、機器やコンピューター任せで出来ることはどんどん移行していくでしょう。

もっとも、機械を操作する人手や技術は必要ですが、職人や作業員の出番は減ることになるのです。
これからはAIの時代になっていきます。産業革命による進化や変化に逆らっても、時間と共に認めざるを得ない状況になってしまうのは致し方ないところです。

スコップやツルハシを使っていた時代を思うと大きく進化し、規模の大きい工事を行う場合、機械がなくては十分な仕事・作業ができません。

ただ、人の手による“味のある部分”は必要だと考えています。
現場では人の手の感覚や肌感覚が求められる、重要視される場面もあります。
機械化が進み、便利になるのは大歓迎だと思いますが、ものづくりが横着になることは避けなければなりません。

とすると、懸念されるのは“技術の継承”という伝統です。道具や材料の扱い方における人の手の技術。

たとえば、

  • 掛矢・ハンマーの扱い
  • 水糸・墨つぼの扱い
  • スコップの扱い
  • セメント・砂の扱い
  • 土など材料の扱い

こういった人の手で行う、土木・建築のもとである技術が伝わりにくくなる。進化に併行して日本の伝統や技術の継承もだんだん置き去りにされることが問題なのです。

時代の流れから目をそむけるのではなく、流れに上手く乗りながら、物事の基本は押さえておくという部分が大事だと考えます。

「現場に行って自分の目で見る」。これには、現場を進めるうえでの基礎準備も含まれます。ただ見て回るだけではなく、「考えながら見る」のです。
そして「地、山、川、水、木々の状態を観る」「危険な箇所、注意するポイントを診る」。

これらを総合して、“みる(見る・観る・診る)”ということ。

あなたが現場の管理者であれば、現場と書面の管理に来る日も来る日も大忙しだと思いますが、工事は現場でやっています。問題は現場で起きているのです。
時間が許す限り、現場に目を向けることが重要であり、基礎となります。

現場百回!現場はすべてを知っている!

「現場百回」という言葉があります。警察の事件捜査などに使われるものですが、建設現場においてもあてはまるものです。
100回というと、ほど遠い感じがします。でもある程度の工期がある現場では、100日行けば100回です。

現場はすべてを知っています。
自分の目で現場を見て、働く人の声を聞き、思考・判断することが重要なのです。

今回の内容をまとめると、机上で考える計画をスムーズに実践するためには、現場の状態に気を配ることがとても大切です。できる限り、くまなく現場の中を見て回るのです。
見落とし、見過ごしというものが問題の引き金になる可能性が大いにあります。

その芽を摘むためには、3つの『みる(見る・観る・診る)』が欠かせません。

“問題は現場で起きている”

現場が最優先と捉え、“3つのみる”を実践することで、あらゆるリスク回避や問題の低減につながるでしょう。
現場が一番!まずは自分の足を運び、見定めることをおすすめします。

作者紹介 りゅう坊さん

作者紹介 りゅう坊さん

関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。

◆りゅう坊さんのブログ:DIYとWorkを簡単に! りゅう坊の楽楽ブログ

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