グルメ司法書士・梅先生の チョコっと舌鼓と司法相談アルアル【第10回】

司法書士コラム

グルメ司法書士・梅先生の
チョコっと舌鼓と司法相談アルアル





司法書士、梅本先生による連載第2弾。
東京都内のランチが美味しいお店を紹介しながら身近な司法書士への相談アルアルを会話形式でやさしく解説していただきます。

今日のランチの舞台は「今半本店」。すき焼きと言えば「今半」と言われるくらいの名店。創業は明治28年。
浅草雷門に近い新仲見世通りに面している「今半本店」。江戸前のすき焼きは、是非一度は食べておきたい!今回もすごく楽しみ!

いつも最後は夢心地の梅先生。土曜日のランチタイム。果たしてどんなお話になるのか。 お楽しみに!




・梅先生
梅先生新宿区四谷で業歴約30年の司法書士
趣味は、神輿担ぎと草野球。どちらも終われば潰れるまでの酒盛り
お酒が大好きだけど、呑むと直ぐに寝てしまう、昭和生れの頑固オジサン

・ノリスケ君
梅先生の執筆を担当して3年目の編集者
自称グルメの大食漢。守備範囲は和洋中のオールマイティー




おばあちゃん、高齢者詐欺に気を付けて!とにかく最初は断って!それから身近な人に相談して(後編)



~前編の復習~
① まずは「断る」。お金の頼みはとにかく「断る」。その後、身近な人に「相談」して
② 高齢者が狙われています。数字を見ておきましょう

前編はこちらから!


③ 具体的な特殊詐欺の事例を見ておきましょう




最近(令和3年前後)に多い詐欺が、「還付金詐欺」と「サポート詐欺」と言われています。 いずれも、最近の情報を並べるので、高齢者に方々にはすぐに理解しにくいところにつけ込む悪質な詐欺です。その状況と対策を考えてみますね。



還付金詐欺



まず「還付金詐欺」についてお願いします。



還付金詐欺:詐欺師の手口は電話
・あなたに還付金があります
・少し前にご連絡はしたのですよ
・今日までだから、還付を希望されるなら急いで下さいね
・今なら、ATMで手続きができます
・ATMに到着したら、私に電話下さい。番号は「****」です



肝に命じてください。ATMでお金が戻ることは絶対にありません!!




「お金がもらえる」「私が忘れている」「子供に怒られちゃう」と言う高齢者の心理につけこむわけですね。




そのとおりです。具体的な対策としては
① 電話でお金の話が出たら、断る。信じない。そして必ず家族か友人に相談する
② 警察や弁護士や役所や銀行の名前を出されても、信用しない
③ 常に留守番電話しておく
④ 迷惑電話防止機能(自治体で配布しています)を使う



最近はAI(人口知能)を使って電話の内容を録音して、相手方の会話から詐欺師が使いがちな用語が出てきたら、 すぐに家族や自治体にメールで知らせてくれる防止機能もあります。




詐欺の判断をAIがしてくれるなら、高齢者の方も安心ですよね。




サポート詐欺



次は「サポート詐欺」についてお願いします。




これは、若い人でもパソコンに詳しくない人は騙されます。高齢者の方の多くはパソコンに詳しくないでしょうから特に危険です。



サポート詐欺:パソコン画面に突然「ウィルス感染警告画面」が出る。緊急の警告音が鳴ることも
・このコンピュ-タはウィルスに感染しています!
・今すぐに対応しないと、データが全部消去または流出します
・すぐに、以下の「****」のサポートに連絡してください
・もしもサポートに電話が繋がらない時には、下に掲載してある「復旧」ボタンを押して下さい



これに従って電話をしたり、ボタンを押してはいけないのですね。




絶対に従ってはダメです。詐欺師は、有料サイトへ誘導したり、ウィルス感染をさせたり、遠隔操作アプリの埋め込みを狙っているのです。 従ってしまうと、勝手に商品を買われたり口座のお金を引き出されたりされますから危険です。




では、どうしたら良いですか?




1番簡単な方法は「主電源を長押ししてパソコンを切る」です。




パソコンが壊れませんか?




今のパソコンは壊れません。初めにパソコンを立ち上げるために押すボタンが「主電源」です。主電源を5秒くらい「長押し」して下さい。そうしたら画面が消えます。
デスクトップパソコンなら、電源コードを抜いてしまう方法もありです。ノートパソコンでは電源コードを抜いても繋がっていますから、主電源を長押しして切って下さい。




その後再起動すればよいのですね。それでも画面が出てきたらどうしましょうか?




それは自分では対処せずにパソコンの専門業者さんに依頼をしてください。




他に具体的な事例はないでしょうか。




僕が相談を受けた事例をいくつか紹介しましょうね。




1.インターネットで悪質な有料サイトに入ってしまった
多くの場合、そのインターネットに契約の「解除方法」が記載されています。でも、その解除方法は詐欺師の罠です。
その解除方法はとても親切に語りかけてくるので、ウッカリ解除方法のボタンを押してしまいます。
そのせいで、氏名・住所等の個人情報を追加で教えてしまうことになってしまうのです。
無視して、主電源を長押ししてパソコンの電源を切って下さい。詐欺師も相手にしてくれない人を相手にしている暇はないのです。
もしも、送金等をして騙されてしまったら、画像を保存したり、メールを保存したり、連絡先を記録したりしてください。
そのうえで、急いで最寄りの警察署のサイバー対策に相談して下さい。



2.驚くような仰々しい名前の機関からハガキが来た
・法務省管轄支局民間訴訟告知センター
・法務省民事訴訟管理センター
・最高裁判所事務総局全国民事訟廷管理官室(※架空組織)
・東京地方裁判所民事執行センター(※実在組織)      などの名前でハガキが来ます。

これらも無視して下さい。仰仰しい名前を使って驚かせて混乱させたいのです。
たいていハガキで来ます。でも、ハガキで来ることはあり得ません!
もしも公的機関が、個人情報に当たるような連絡をハガキで送ってしまったら、個人情報の公開になってしまいますので、それこそが大問題です。
でも、「裁判所」から来たら、必ず中を見て下さい。もしかしたら訴状かもしれません。
訴状を無視しているとあなたが相手方の主張を認めたことになってしまう危険があります。必ず、弁護士や司法書士等の法律家に見てもらって下さい。

男性の相談者さんですが、90歳を過ぎた相談者さんの母親宛に、有料サイトの支払請求書が届いた事例がありました。
相談者さんは、思い当たる節がないわけでもないので、一瞬、自分だと思って慌てていたのだけど、しっかり見たら母親宛でした。



3.リフォーム業者が自宅に訪問してきた

たいてい「近所で屋根修理をしている業者です。たまたまお宅の家の屋根が見えて、修理が必要な状況だったので、お知らせだけしておこうと思ってお邪魔しました。」と言います。
「よければ屋根に上ってみてあげましょうか?今日は無料ですからご心配なく。」などと言います。
無料だからとウッカリお願いすると、屋根から降りて来た業者は、スマホで撮影した壊れている屋根の写真を見せてくれます。
あなたはそれを見て慌てます。そして、修理を依頼してしまうとすぐに契約書が届きます。
「壁にもヒビが入っています。一緒に工事をしたら足場代がかからないからいかがですか?」と追加工事をすすめられて、追加契約書が届きます。

こういったケースのときは、まず聞き流して下さい。その写真は、別の家の壊れた屋根の写真です。
壁の壊れた場所も、あなたには見え難い場所を示します。
もし見てもらってしまったら「知り合いがいるから相談してみます。」と言ってその業者を帰して下さい。
屋根や壁が本当に心配なら、その業者ではなくあなたが選んだ別の業者に相談して下さい。
リフォーム詐害は、地域を決めて集中的に回っています。
特に高齢者の方からの相談が多いので、事前に高齢者の情報を集めている恐れがあります。

被害者も笑った事例は、 屋根のリフォームをして間もない家に来た件がありました。これはさすがに騙されませんでした。
大工さんの自宅に来て、同じ手を使って追い返された業者もいました。
町内会や地域で詐欺情報の交換ができれば、防げるようになるでしょうね。



4.メール詐欺(最近は傾向が変わってきている)
今までの多くは添付ファイルを開く事で、開いたパソコンがウィルス感染して、そのパソコンを破壊するというものが多かったそうです。
最近は、そのメールを開いただけで(添付ファイルを開かなくても)ウィルス感染するものが増えているそうです。
そして、そのウィルスではパソコン自体は破壊せず、感染に気が付かれないようにして中のアドレスデータを盗んで、
あなたの名前で勝手にメールを送って、送り先を安心させておいて、メールを開かせてデータを盗むという複雑なウィルスだそうです。
知らないメールは開かないこと。知っている名前のメールでも【SPAM】とついていたり、様子がいつもと違う時には削除する方が安全なのかもしれないですね。


絶対に自分で相手に会わないで下さい。危険ですから。



腹が立つから、相手に何か言いたいですよね。




腹が立つ気持ちは分かるけど、それはやめてください。危ないですから。実際にあった話ですけど、怒ってハガキに書いてある住所に行った人がいるんです。止めたのですが、頭に血が昇っていて止まりませんでした。




どうなりましたか?




その住所は川の中でしたね。でも良かったです。もしも暴力団等の反社会勢力と出会ってしまったら、もっと大変な事件になってしまいますからね。




検挙者 検挙者人数 割合
暴力団関係者 402人 15.3%
少年 491人 18.7%
外国人 136人 5.2%
中国 97人 71.3%
韓国 10人 7.4%
ベトナム 7人 5.1%
タイ 6人 4.4%
ブラジル 6人 4.4%



詐欺師とは会わないようにしますね。怖いですからね。




騙されちゃった、どうしたら良いのだろう?
まずは、#9110 または 184に電話して!



騙されたと気が付いた時にはどうしたら良いですか?




すぐに、警察に「被害届」を提出して下さい。




最寄りの警察署の電話番号なんて知らないですけど、、




どうしてよいかわからない時こそ、「#9110」のプッシュボタンを押して下さい。自動的に各都道府県の警察本部につながりますから。または、「184」のプッシュボタンを押して下さい。消費者相談窓口につながりますから。



【振込詐欺の場合】
① #9110をプッシュホン ⇒ 警察への被害届
② 振込先金融機関へ電話 ⇒ 振込先金融機関の口座を止める
③ 回収を考える ⇒ 「振込詐欺救済法」「被害回復給付金支給制度」

【悪徳商法】
① 188をプッシュホン ⇒ 消費生活相談窓口へ
② クーリングオフが使えるから、専門家に相談



騙されちゃった場合でも、早ければ救済策があるから「恥ずかしがらずに」相談する事が必要なんですね。




そうです。専門家はそういう話は日常茶飯事だし、守秘義務もあるから恥ずかしがる事はありません。







おや?ノリスケ君はお腹がいっぱいで動けないようだね。じゃあ、少し浅草を散歩しようか。




今日もごちそうさまでした。すき焼きの老舗で頂けたので感激でした。浅草の散歩なら、僕の知っているところをご紹介しますよ。






まずは「神谷バー」ですね。「電気ブラン」は有名ですよね。




「神谷バー」というから、港区の神谷町をイメージしちゃった。だから、裏路地の小さなバーを考えていたのだけど、子供も入ってご飯が食べられる大衆食堂みたいだね。気取らない浅草っ子のお店らしくてホッとする安心感があるね。




今日は、入店待ちのお客さんがたくさんで入れませんでした。40分待ちは辛いので、残念ですが次の機会にしましょう。ショーウィンドウの中の電気ブランだけでも楽しんでください。




電気ブランの奥のスウィーツが気になるなぁ。浅草っ子は電気ブランとスウィーツをセットで頂くのかな?僕は甘いものも好きなので、セットで頂きたいな。ノリスケ君、今度調べておいてね。




今度来た時にセットで頼んでみてください。多分セット売りではないと思いますよ(笑)






雷門をくぐって仲見世を歩くと、あんみつで有名な梅園があります。




僕、ここも大好き!小豆が大好きなんだ。今日は寄らないのかな?




ゴメンなさい、今日は寄る時間がないのです。






浅草のりも有名ですよね。創業が江戸時代だそうですよ。




もちろん、聞いたことがあるよ。多分、普段からたくさん頂いているのだろうね。




伝法院通りの入り口に「おじま」というお土産屋さんがあるのです。僕は浅草に来るたびに中をのぞいているんです。飾ってある江戸切子のグラスが綺麗なんですよ。







確かに、黄色の江戸切子はかなり値が張るけど綺麗だよね。僕も欲しいのだけどね。今日は持ち合わせがないから、箸置きだけ買って帰るよ。
レンコンとアジの開きと青竹の箸置きです。これも面白いでしょ?







せっかく浅草に来たのですから、浅草公会堂前の有名人の手形を見ていきませんか。加山雄三・八代亜紀・藤田まことを見つけましたよ。先生は大好きでしたよね。






ビートルズとプレスリーはないのかな。




ノリスケ君、今日もありがとうね。美味しいすき焼きを紹介してもらった上に、浅草見学もできたよ。少し心残りは「神谷バー」に入れなかった事かな。次は必ず「電気ブラン」を飲もうね。スウィーツを肴にしてね。




今日もごちそうさまでした!地下鉄の乗り場はわかりますか?




大丈夫!目印を見つけておいたから。ではまたね。



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