グルメ司法書士・梅先生のチョコっと舌鼓と司法相談アルアル【第2回】

司法書士コラム

グルメ司法書士・梅先生の
チョコっと舌鼓と司法相談アルアル





司法書士、梅本先生による連載第2弾。
東京都内のランチが美味しいお店を紹介しながら身近な司法書士への相談アルアルを会話形式でやさしく解説していただきます。

今日のランチの舞台は、「室町砂場 赤坂店」
明治2年創業、「天ざる」発祥の店と言われ、蕎麦好きにはたまらない名店中の名店。
いつも最後は夢心地の梅先生。土曜日のランチタイム。果たしてどんなお話になるのか。お楽しみに!




・梅先生
梅先生新宿区四谷で業歴約30年の司法書士
趣味は、神輿担ぎと草野球。どちらも終われば潰れるまでの酒盛り
お酒が大好きだけど、呑むと直ぐに寝てしまう、昭和生れの頑固オジサン

・ノリスケ君
梅先生の執筆を担当して3年目の編集者
自称グルメの大食漢。守備範囲は和洋中のオールマイティー




住宅ローン完済時に注意が必要!抹消登記は自分でする(後編)



~前編の復習~
① 住宅ローンを完済したら、必ず抹消登記をしましょう
② 抹消登記をする人は債務者ではなく、所有者です

▶前編はこちらから!



③抹消登記の前に所有者の相続、住所移転、氏名変更登記が必要です




債務者は毎月債権者に支払をするわけですから、債務者と債権者はお互いにそれなりに情報を交換している事になりますよね。




そうだね。




でも、所有者と抵当権者となるとお互い連絡は取っていないから、いざ抹消登記の時に「所有者や抵当権者がわからない」ということになりませんか?




分からなくなる事もあるよね。



所有者で言えば、相続による権利者の変更、引越による住所移転、結婚・離婚等による氏名変更などが発生している事があります。抵当権者にも同じ事が言えますね。

抵当権者の場合には変更証明書を付ければ、変更登記まではいらない場合もあるという登記先例がありますが、所有者等は「変更登記」が必要になるのです。



抹消登記とは別の手続が必要なんですね。




そうなんだよ。しかも先にする必要があるんだ。だから、抹消登記はできる時に早めにした方が良いんだよ。



■抵当権の登記はできるだけ早く抹消しておいた方が良い理由

 抹消登記ができるのに放置していると、

・金融機関から届いている抹消のための必要書類を紛失する危険が高い

・金融機関も、古い返却書類の授受資料を処分している事がある

・所有者が死亡して、相続登記を先行する必要がある。相続の証明書を取得するのに一苦労で、分割協議ができない事もある

・共有名義だと、他方共有者に住所や氏名の変更があると変更登記を先行する必要がある
 他方共有者に連絡が取れない、連絡を取りにくい事情も発生。証明書も5年で廃棄されるので取得できなくなることもある

・金融機関の担当者が転勤、抵当権者の金融機関が分からなくなることもある。
 担当者の転勤や、金融再編での合併や会社分割・商号変更・本店移転があると、どの会社が抵当権者なのかが分からなくなる




抹消登記を放置しているといろいろ問題が発生するのですね。住宅ローンを完済した時には先生の所にもってきますから、よろしくお願いします。




もちろん大丈夫だよ。
一生懸命に話をしたから、のどが渇いちゃったよ。そろそろ、お酒のおかわりとお蕎麦を頂きたいな。




良いタイミングですね!砂場の赤坂店さんでお蕎麦を食べる時の秘訣は「天ざる」「ざる」「もり」の3枚を同時に頼むんですよ。




3枚も頼むの?しかも「ざる」と「もり」で?




そうなんです。ここは「ざる」と「もり」の違いが海苔の有無だけじゃなくて、蕎麦自体が違うんです!だから違いを味わってほしいんです。




へぇ~!「ざる」と「もり」は海苔の違いだけだと思っていたよ。
ざる蕎麦は海苔付くだけで値段が高くなって、それは蕎麦屋さんの洒落かと思っていたんだけど、、蕎麦自体が違うなら理解もできるかな。楽しみだね。




しかも、天ぷらが香ばしくて1度食べたら1週間は思い出せる美味さですから!




これは香ばしい天ざるだね。美味しい!







天ぷらが残っているのに、蕎麦を食べ終わっちゃったよ。




蕎麦の量が少ないですよね?だから「別ざる」を1枚追加したんですよ。






なるほど、別ざるの追加がコツなんだね!




次は「もり」ですよ。これは〆の蕎麦ですから、お好きなようにツルツルッ!とやっちゃってください。






へぇ~!「さる」と「もり」、確かに違うね。ツルツルッ!
あはは、美味しすぎて笑っちゃうね。お酒も美味しいし(笑)。
近くに住んでいるのに、今まで知らなくて損していたね。教えてくれてありがとう。お礼にとっておきの話をしてあげるね。



時には登記簿謄本を取って、変更されていない事の確認を!



ある金融機関から「抹消書類が返却されていないまま会社に残っているので、不動産の登記簿謄本を散り寄せて、契約書と照らし合わせて整理して欲しい」と頼まれた。

その中の1つに【設定契約書に記載された土地と謄本の土地の地番は合っているけれど、契約書の設定者と謄本上の所有者が不一致。謄本上の所有者は昔から変わっておらず、住所移転・氏名変更・権利移転もない】というものがあった。

どういう権利関係なのだろう?と興味本位で他の資料と照合していたら、契約書に記載した不動産が間違いで、隣の土地の地番が書いてある事が判明した。

本来なら登記所で補正なり取下げをするべき場面なのだけど、登記は人間がやる作業だから、運悪く記載ミスと見逃しがあったのだと推測される。

結局、隣の人は全く知らないうちに自分の土地に他人の抵当権がつけられていたという話。その間に、隣の人に何もなくて良かったよ。

誰でも、自宅の登記簿を見る事はほとんどないと思うけど、時には登記簿謄本を取って、変更されていないかどうかの確認をしておく方が良いかもしれない。






※ 参考資料 (引用元:法務省 登記簿謄本例)






 ん~~ むにゃむにゃ~~(-_-)zzz





お客さん!お酒で気持ち良いところごめんなさいね。お連れ様はお帰りになりましたよ。




あれ?ノリスケ君は帰ったのかい。お勘定はどうなっているのかな?



箸袋の裏には「ごちそうさまでした。ノリスケ」と走り書き。
美味しいお店を紹介してくれたから、まあ良いか!(笑)



ごちそうさまでした!また来ます。

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