現場ノウハウ

【令和8年度最新版】令和7年度1級土木施工管理技士第二次検定の解説

【この記事を執筆したのは…】

佐藤拓真さん
元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|ブロガー兼Webライター|SNS総フォロワー2.3万名|出版書籍「仕組み図解 土木工事が一番わかる」

令和8年度に1級土木施工管理技士の合格を目指しているあなたへ。
令和7年度の第二次検定の内容、正しく分析できていますか?

令和6年度の抜本的な試験改正に伴い、第二次検定は問題が大きく見直されました。
特に、第二次検定の「問題1:経験記述の問題」は、1つの工事現場について、複数の観点(テーマ)から現場で実際にやったことを記述する必要があります。

この記事では、令和7年度第二次検定の試験概要・出題内容・傾向・ポイントの解説に加えて、令和7年度の経験記述で出題された「環境対策」についても解説します。

令和8年度以降に受検予定の方は、遠回りをしないためにも、必ず最後まで読んでください。

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目次

【2026年最新】1級土木施工管理技士第二次検定の近年の傾向

1級土木施工管理技士の第二次検定は、第一次検定同様に令和6年度から試験問題が変わりました。

試験問題の詳細な解説に入る前に、まずは直近の受検者数や合格率の推移、試験の概要といった内容から、第二次検定の全体像を確認していきましょう。

データで見る1級土木施工管理技士第二次検定【令和6年度と令和7年度の比較】

受検者数と合格者数の比較は、以下の表のとおりです。

年度 受検者数 合格者数 合格率
令和6年度(2024年度) 27,220人 11,224人 41.2%
令和7年度(2025年度) 24,667人 9,603人 38.9%

令和7年度の受検者数は前年度より約2,500人減少し、合格者数も約1,600人減りました。
合格率も合格者数と同様に、令和6年度の41.2%から、令和7年度は2.3%減少して38.9%となっています。

令和7年度の試験概要

第二次検定は第一次検定と異なり、午後のみの実施です。
(試験時間: 2時間45分)

問題1~3は全問解答必須の問題です。
問題4以降は全8問から合計4問を選んで解答する選択問題となっています。

なお、選択問題は(1)と(2)に分かれており、問題4~7の中から2問選ぶ選択問題(1)は穴埋め、問題8~11の中から2問選ぶ選択問題(2)は記述式の問題となっています。

佐藤

各4問から2問ずつ選択して解答します。

問題 形式
必須 問題1 記述
問題2 穴埋め
問題3 記述
選択(1) 問題4 穴埋め
問題5
問題6
問題7
選択(2) 問題8 記述
問題9
問題10
問題11

1級土木施工管理技士の第二次検定【令和7年度と令和6年度の比較】

それでは、実際に令和7年度と6年度の問題を比較して解説します。

必須問題の傾向【令和7年度と6年度の比較】

問題1から3は必須問題です。3問すべての問題に解答する必要があります。

問題 形式 令和7年度 令和6年度
1 記述 経験記述
「品質管理」「環境対策」
経験記述
「安全管理」「施工計画」
2 穴埋め 安全管理
建設物・機械などの設置届け
安全管理
墜落防止ネットの安全基準
3 記述 安全管理
事業者が講じる墜落等の危険防止対策
建設業法・入契法
施工体制台帳

令和7年度の第二次検定において、合否の鍵を握る経験記述の問題では、近年の建設業界が直面している「品質管理」と「環境対策」という2つの重要な管理項目が問われました。

選択問題(1)の傾向【令和7年度と6年度の比較】

選択問題(1)は問題4~7のうち2問を選んで解答します。

問題 形式 令和7年度 令和6年度
4 穴埋め 軟弱地盤における盛土 暑中コンクリート
5 鉄筋の加工・組立に関する品質管理 土の締固めと試験
6 地下埋設物に近接した作業 移動式クレーンの安全管理
7 施工計画 情報化施工におけるTS・GNSSを用いた盛土の締固め管理

実際の試験問題は以下のとおりです。

佐藤

このように文章の空欄を埋める言葉を答えます。

選択問題(2)の傾向【令和7年度と6年度の比較】

選択問題(2)は問題8~11のうちから2問選びます。

問題 形式 令和7年度 令和6年度
8 記述 コンクリートの打継目 土留め支保工
9 情報化施工におけるTS・GNSSを用いた盛土の締固め管理 コンクリート打設におけるコールドジョイント防止対策
10 車両系建設機械の掘削または積込み作業中の労働災害防止対策 足場の始業前点検
11 プレキャストL型擁壁の施工手順 建設現場における騒音・振動防止対策

実際の試験問題は以下のとおりです。

【土木施工管理技士 第二次検定】経験記述「環境対策」の書き方

1級土木施工管理技術検定の第二次検定において、近年「環境対策」は出題されていませんでしたが、令和7年度では「設問2」のテーマとなりました。

そこで、ここでは「環境対策」を例にしながら、経験記述の基本的な書き方から具体的な内容を紹介します。

経験記述の書き方

経験記述では、最新技術(ICT建機や特殊な工法など)のアピールは必要ありません。
採点官が重視しているのは「現場特有の状況に対し、適切な対策を講じているかどうか」と「それを論理的に説明できているかどうか」です。

佐藤

「当たり前のことを現場に合わせて確実に実施した」という記述が土木施工管理技士の試験では求められます。

記述の際は、以下の3ステップを意識してください。

【1.現場状況(課題の背景)】
現場の状況と、現場周辺に何があるか(河川、住宅、学校など)

【2.技術的課題】
その状況下で何が懸念されるか(汚濁、騒音、事故など)

【3.実施した対策】
具体的にどのような管理・処置を行ったか

環境対策の具体例4選

現場のシチュエーション別に解答例を整理しました。

佐藤

ご自身の現場経験に合わせて活用してください。

ケース1

◆水質保全(河川近接工事)
河川工事や排水路付近の工事では、一般的なテーマです。

【現場状況】
一級河川に隣接しており、降雨時や掘削時に現場内からの排水流出が懸念された。

【実施対策】
濁水処理設備の設置:釜場を設けて水中ポンプで揚水し、ノッチタンク(沈殿槽)を経由させることで、浮遊物質を除去してから放流した。
汚濁防止膜の設置:河川内の作業箇所下流側にシルトフェンスを展開し、汚濁の拡散を防止した。

ケース2

◆騒音・振動対策(市街地・住宅密集地)
近隣住民への配慮は、環境対策の最重要項目の一つです。

【現場状況】
現場周辺が閑静な住宅街であり、重機稼働による騒音・振動に対する苦情発生が懸念された。

【実施対策】
低騒音型建設機械の採用:バックホウや発電機は、国土交通省指定の低騒音型・超低騒音型機械を選定・使用した。

ケース3

◆特定建設作業(法令遵守)
法的な規制対象となる工事では、「法令を守った」という事実だけで十分な対策となります。

【現場状況】
ブレーカーによる破砕作業が含まれており、騒音規制法に基づく「特定建設作業」に該当した。

【実施対策】
届出とモニタリング:作業開始の7日前までに特定建設作業実施届出書を提出するとともに、敷地境界における騒音レベルを常時測定し、規制基準値(85dB等)を超過しないよう管理した

ケース4

◆地球温暖化・大気汚染対策(地元要望への対応)
CO2削減は、近年のトレンドです。

【現場状況】
工事説明会において、地元の自治会より「工事車両による排ガスや粉じんで住環境を悪化させないでほしい」との要望があった。

【実施対策】
アイドリングストップの徹底:搬入車両の待機時はエンジン停止を義務付け、CO2排出量および騒音の低減を図った。
タイヤ洗浄と散水:ゲート出口に高圧洗浄機を設置してタイヤの泥を落とすとともに、場内へ定期的に散水車を走らせ、粉じんの飛散を抑制した。

経験記述の注意点

記述を作成する際の注意点として、対策の必要性を示すために、技術的な課題を特に意識してください。

悪い例:「環境に配慮して、低騒音型機械を使った。」
なぜ? どんな現場だから必要だったの? が不明瞭です。

良い例:「住宅地での作業であるため、騒音低減が必要と考え、低騒音型機械を使用した。」
この例だと、現場条件→課題→対策が明確です。

この例のように、現場状況から対応処置までが明確であれば、対応処置が当たり前の内容でも十分に合格点を狙えます。
自信を持って、あなたの現場での取り組みを記述してください。

令和7年度の経験記述解答例文【環境対策】

では、実際の例文を紹介します。工事現場で発生する建設副産物を再利用したという事例です。

佐藤

わかりやすいように具体的な現場状況から解説しています。令和7年度・設問2の解答に現場状況の記述は必要ないので、試験の解答例そのものではない点にご注意ください。

環境対策の例文【具体的な現場状況~検討項目】

☆問題
(1)施工に際して判明した環境対策上の技術的課題と、その課題解決のために検討した項目

☆解答例

○○県発注の道路改良工事において、老朽化した小規模橋梁(橋長約15m、幅員6.0m)を解体撤去し、新たにプレキャスト床版を用いた橋梁を架設する工事であった。本工事では、既設橋梁の解体によりコンクリートガラが発生し、橋台および基礎工の施工に伴い掘削土が発生した。

これらの建設副産物を現場内で再利用することにより、環境負荷の低減および処分費の削減が可能であることから、建設副産物の再利用が本工事の重要な技術的課題であった。発生する掘削土は粘性土が主体であったことから、改良処理について検討した。また、コンクリートガラの再利用する方法について検討した。

環境対策の例文【対応処置~評価】

☆問題
(2)検討項目の対応処置とその評価

☆解答例

検討項目に基づき以下の内容について対応処置を行なった。

①掘削土については、約450m3を仮置きし、セメント系固化材を用いたことにより、橋台背面および取付道路の埋戻し材として再利用できた。改良したことにより、強度を確保しつつ、場外搬出を行わずに施工を完了させることができた。②解体で発生したコンクリートガラ約300m3は、粒径300~500mm程度に破砕し、仮設工事用道路の材料として再利用した。

これらの取り組みにより、産業廃棄物の発生量を大幅に削減し、環境負荷の低減につながったことは評価できる。

令和7年度1級土木施工管理技士第二次検定の解説【まとめ】

令和8年度に受検予定の方に向けて、令和7年度の第二次検定の解説をしました。
令和6年度から出題傾向が変わりましたが、経験記述対策の重要性は今まで以上に増しています。

しっかりと対策をして合格を勝ち取りましょう。

【つちとき塾で過去問を公開してます】

著者:佐藤拓真

著者:佐藤拓真

準大手ゼネコンで土木の現場監督として7年勤務。その後も建設業界関連で働いている。自身のブログ 『つちとき』 では、若手の土木技術者に向けて工事現場で実際に学んだ知識を公開中。X(旧Twitter) でも情報発信しており、フォロワーは合計2.3万人。プライベートでは娘が2人いる30代の父親。著書『しくみ図解 土木工事が一番わかる」

◆ブログ 土木工学と建設業のブログ『つちとき塾』
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