若手社員向け建設業界の豆知識_~経歴35年土木現場監督のあるある話~

コラム

第16回『2024年 自己管理と自己戦略』





あらためまして、りゅう坊です。

ズバリ! 今年はあえてこの問題に対峙して考える必要があると思います。



注目! “2024年問題”

今年4月から働き方改革関連法により、建設業において労働時間の上限規制が強化されます。
同法はすでに2019年に施行されていますが、建設業などいくつかの業種は例外的に適用まで5年間の猶予期間が設けられていました。
その特例措置が終わり、4月からいよいよ建設業においても本格導入されるのです。

いわゆる“2024年問題”です。

法規制に関して、立場によってはさまざまな見解があると思います。
法で規制するのは容易ですが、リアルな現場においては、一筋縄ではいかないのが常です。
環境や状況がそれぞれ違いますし、各企業の規模、立ち位置もあります。経営者と雇用者の考え方も違います。

個人的に思うところは多々ありますが、法規制に対してなんとかしようと考えても難しいのは当然です。




では、“個人はどうすればいい?”

一個人としては、

  • 会社のことは会社に委ね、任せること
  • 与えられた業務の効率化を考えて行動すること
  • 問題、課題を一人で抱え込まず共有すること
  • 会社に遠慮せず、相談する姿勢をとること


現場を管理する立場の方が陥りやすいのが、過度な責任感です。
無責任は話しになりませんが、「自分でなんとかする」という、この思いが強く出るパターンが多いのです。

愚痴や不満で済ませているうちは、まだなんとかやり過ごせます。
ところが、思いつめて、一人で抱え込んで、危険な状態にはまってしまうのが一番良くありません。




時代が進んでも進まないこと

自分の若手時代から思うと、さまざまなことが進化していますが、まだまだこんなもんじゃないと思います。

飛躍的に激変したかと言えばそうでもなく、
「技術進化を遂げているのに労働時間が減らない」
このように思うのです。

これは、単純に労働量が減らない、変わらないどころか、むしろ増えている。
こう言える部分が多分にあると感じます。

たとえば、書類の簡素化が進まないのが顕著なところです。
書類ひとつとっても、労働量は変わらないどころか、保守的になり過ぎていて逆に増えているのです。




時間は一定で有限かつ不変

時間のサイクルを変えることはできないので、その時間の中で効率化を考えなくてはなりません。
まず、自己管理を徹底しなくては自分が潰れてしまいます。



自分の経験から思う3つのポイント

①不満や愚痴を漏らしてもなにも得るものがないからやめる

②一人で抱え込むと精神的に病んでしまうから避ける

③自分の意見と理屈を持ち、流れに流されないようにする


これらを基点にブレない自分を持ち、ほどほどに自分のクセや色を出すことも必要ではないかと思います。
さらに、現場を動かすうえでは、時間と直結する工程・工期を先読みするチカラが重要です。

【先読みするチカラ…○】【先延ばしのクセ…×】

先延ばしは時間の浪費を招くだけです。時間は止まってくれません。先読みして行動することが絶対です。




管理する上で戦略を練って進める

時間を有効に使うためには、戦略的に進める必要があります。
戦略というと大げさに聞こえるかもしれませんが、あくまで“あたりまえのことをあたりまえにやる”ことです。

そのために一つ提案するとすれば、自己管理能力を備えることです。

自己管理能力には、以下のようなものがあります。

  • 時間を効率的に使う
  • 感情に左右されない
  • 体調不良を激減させる
  • 自分に自信を持つ
  • 目標を明確にする


いずれにしても内面的、メンタル的な部分が連想されます。気持ちの持ち方、捉え方が大事です。



職場における自己管理能力

職場での活動を注意深く管理することで、仕事上の目標を達成し、目標を超える成果を挙げることが可能になります。
そのために、次のヒントを参考にして自己管理を実践し、生産的かつ効率的なスケジュールの維持を心がけてみてください。

ヒント1 社内会議に出席する場合
会議が近いと分かっている場合は、前もって持参すべき情報を収集し、質問事項を考えておく時間を設けることがおススメです。
また、会議の1時間前に質問やメモを確認し、会議中は集中して協調性を持ちながら発言するようにします。

ヒント2 退社前に翌日の計画を立てる
1日の終わりには、カレンダーを確認したり、新たにやるべきことのリストを書いたり、翌日の仕事を書き込んでプランを整理したりする時間を作ります。
また、この時間を使って、その日に達成したことを振り返り、目標への到達度を確認することが大切です。




自己管理と自己戦略

自己管理(セルフマネジメント)は、目標達成や自己実現に向けて自分自身の思考や感情・行動を管理することを言います。これにより、精神状態や健康状態を安定させ、自分の能力を最大限に発揮することを目指します。

以下は、自己管理に必要なタスクの一例です。

①目標設定
短期(1日、1週間)および長期(工期全体)の目標を設定する。

②優先順位付け
作業や目標を優先順位付けして重要なものから始める。

③時間管理
予定を立てて、時間を管理する。

④タスクの分割と計画
大きなプロジェクトや目標を小さなタスクに分割し、段階的に進める。

⑤自己評価と振り返り
定期的に自分の進捗を評価し、目標の達成度を確認する。

⑥ストレス管理
ストレスを軽減するための方法を見つけ、実践する。

⑦情報管理
重要な情報や資料を整理し、取り扱いやすい形で保存する。

⑧スキルの向上
職務に必要なスキルや知識を継続的に発展させる。

⑨モチベーション
困難な時期に前向きな態度を保つための手段を考える。

⑩コミュニケーション
他者とのコミュニケーションを効果的に行う。

これらのタスクを組み合わせて実践することで、セルフマネジメント能力を向上させることができます。

そのうえで、自己管理にプラスしたいのが、自分なりのプランやビジョン、すなわち“自己戦略”を持って取り組むことです。



自己戦略の提案

現場管理において自己戦略を構築する際に考慮すべき重要な項目やタスクを以下に挙げてみます。

①目標の設定
短期目標と長期目標を区別し、段階的に進める計画を立てます。

②スキルセットの確認と向上
自分の足りないスキルに焦点を当てて学習・向上を図ります。

③ネットワーキング
業界や職場での人脈を築くために積極的にネットワーキング活動に参加します。

④業界トレンドの把握
業界や市場のトレンドを理解し、将来の方向性を予測します。

⑤プロフェッショナリズム
現場環境での適切な態度や言動を維持します。

⑥自己ブランディング
自分の強みや専門性をアピールするために、自分のブランドを構築します。

⑦リーダーシップスキルの向上
プロジェクト管理や意思決定のスキルを向上させます。

⑧自己評価とフィードバック
上司や同僚からのフィードバックを受け入れ、改善点を把握します。

⑨柔軟性と適応力の向上
失敗から学び、新しい挑戦に積極的に取り組むようにします。

これらの項目やタスクを考慮して、現場管理における自己戦略を構築することで、キャリアの発展や成功に寄与することが期待できます。




今回のまとめ

これらのことは、「自身を向上・成長させるために考えてみては」という意味で挙げてみました。
自己を管理・コントロールし、戦略を持って現場に挑むことで、向上・成長に繋がると思います。

とは言え、なかなかできないのが人間です。
私自身もうまくできなかった部分が多くあり、希望的観測を込めて書いていますのでご理解ください。


まずは、これらを意識するだけでも違います。
“自己管理と自己戦略” 参考になれば幸いです。




◆作者紹介 りゅう坊さん
関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。

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