「建築家」とは?その『定義』や『志したきっかけ』など原点を探る
【Written by 独学一級建築士 nandskさん】
今回は私たち建築士・建築家について、その『定義』や『なぜ建築の道を志したのか』という原点を少し考えてみたいと思います。
「建築家」は自称!? 明確な定義はない
実は「建築家」という職業に明確な定義はありません。
設計業務ができる資格は「建築士」ですが、「建築家」には資格がいらないんです。実際、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏は建築家デビュー当時、建築士の資格を持っていなかったといいます。
逆に、ハウスメーカーなどでずっと建売住宅の設計をしている建築士が「建築家」を名乗るとしたら、それはちょっと違和感があるかもしれません。
さらに言えば、宇宙空間の建物を計画しているようなアンビルト(Unbuilt、建てないという意)の建築家というのも大勢います。彼らはデザイナーに近いですね。
「建築家」というのは自称、他称であり、意外にも明確な職業ではないんです。
大学の建築学生9割以上が「ブロック玩具で遊んだ」
ここで、みなさんは子どものころ、ブロック玩具『レゴ(LEGO)ブロック』で遊んだことはありますか?
『レゴランド』というテーマパークができるくらい普及しているレゴブロック。「まったく遊んだことがない」という人は珍しいかと思いますが、レゴブロックを販売する日本法人・レゴジャパンの調査では、“東大出身者”の68%が「レゴで遊んだことがある」と回答しています。
ブロック玩具は知育グッズとしても効果があるといわれているので、その辺の影響もあるのでしょうか。
今度はターゲットを“建築家”に変えてみます。ソースはないのですが(すみません…)、とある大学の建築学科でアンケートを取ったところ、9割以上の学生が「レゴまたはブロック玩具でよく遊んだ」と回答したそうです。
実際、私の建築学生時代の友人や建築仲間に聞いても、ほぼ全員がレゴなどのブロック遊びをしていたとのこと。もちろん私も大好きでした。建築家の幼少期の話などを調べてみても、やはり同じような傾向でした。
【参考】東京六大学出身者600名に聞いた「レゴと知育の関連性に関する調査」 3月10日は東大合格発表!東大出身者の約70%がレゴ経験あり!“レゴ育”が東大入学への近道だった!?
ブロック遊びは建築の世界を志す原点!?
建築に興味を持つきっかけは様々ですが、レゴなどのブロック玩具は空間把握能力を高めたり、物を作る楽しみを味わったりするのには最適なので、幼少期のこういった経験が将来、建築の世界に足を踏み入れるきっかけになっているのかもしれませんね。
おもちゃとはいえ、デザインについて考え、またしっかりと組み立てないと崩壊してしまうので構造的な観点でも色々考える必要があり、侮れません。
今では大人向けのレゴも発売されており、建築好きをターゲットにした商品も多いです。
建築家はもちろん、建築好きの人も、今こそレゴブロックで遊ぶと楽しいかもしれませんよ。
著者:独学一級建築士 nandsk
独学により一級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。二級、一級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す。