2×4(ツーバイフォー)建築の施工

コラム

2×4(ツーバイフォー)建築の施工

【コラム 1級建築士による建設アラカルト】【独学1級建築士 nandskさん】



前回紹介した2×4工法について、施工上の注意点を簡単に紹介していきます。



まずは建物の土台となる基礎工事。最も大事な工事とも言える基礎工事ではその精度がとても重要です。トランジットなどを用いて精度高く仕上げたいところ。
基礎の立ち上がりコンクリートを打設する際にモルタル金ごて直仕上げを行う人がいますが、これは精度が悪いのでやめた方がいいです。基礎のズレは上に行くほど大きくなってしまうので、細心の注意を払って施工しましょう。
それから基礎ではもう一つ。2×4工法では床もパネルで仕上げるので、床下に潜って工事をすることが難しいです。
そのため、床を仕上げるまでに配管工事をするのですが、ここでミスがあると後々床パネルを剥がして再工事になってしまうので注意が必要です。


次にメインとなるフレーミング工事。いわゆる建て方工事ですが、2×4工法ではフレーミングと言います。
RCの基礎の上に土台を設置するところから始まりますが、床に近い部分には防蟻処理が求められます。
最近話題の長期優良住宅でも土台周辺の防蟻処理は必須で、シロアリやカビの対策は2×4工法には必須です。
土台、根太を並べたら床を貼りますが、前述したように床を貼った後に床下を工事することが難しいです。隠蔽部の検査や写真撮影などは入念に行っておきたいところ。
床が終われば壁に移りますが、壁を立てる時に最も時間がかかるのが開口部回りです。
まぐさという専用部材を使って開口部を制作していきますが、複雑な納まりになる場合は、釘の打ち忘れ等に注意しましょう。
開口部が大きく上枠・下枠が長くなり継手が生じる場合は、釘打ちによる木口割れを防ぐためにも、たて枠の上では無く、たて枠とたて枠の中間で接ぐのが理想です。その後は2階床、天井へと進んでいきます。

■窓口・窓台(まぐさ・まどだい)とは?
出入口、窓などの開口部の上下に水平に設ける部材で、上部にありその上部の壁を支えるものを「まぐさ」、下部にあり窓の下枠を受けるものを「窓台」と呼びます。

最後に屋根(小屋組)。2×4工法でも陸屋根や切妻屋根、寄棟屋根など対応は可能です。
それぞれの屋根形状に合わせて施工していくことが大切ですが、ここで最も重要なのは防水工事。
2×4工法に限った話ではありませんが、屋根の防水が悪いと建物の寿命が一気に短くなります。防水工事にはしっかりと時間を取り、丁寧に施工していきましょう。

広く一般的に施工される2×4工法ですが、職人さんによっては在来工法との違いを意識していない人もいるかもしれません。
たしかに工種によってはやることは同じかもしれませんが、工法が違えば注意点も変わってくるので、2×4工法について知ってもらい、意識して施工してもらいたいですね。



今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

関連するBLOG

TOP