現場ノウハウ

第7回:報連相は伝えるチカラ【若手社員向け建設業界の豆知識】

報連相(ほうれんそう)。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

「報告・連絡・相談」の頭文字をとってつくられた言葉で、仕事における大事な要素です。
報連相はビジネス用語とされていますが、個人的にはあらゆる人間関係において共通するものと認識しています。

たとえば、家庭内においても、

「今日、こんなことがあったよ」などの報告。
「いついつこういう行事があるよ」などの連絡。
「こうしたいのだけど、どうかなぁ」などの相談。

こんな具合に、子どもから親に対して、逆に親から子どもへの報連相もありますよね。

コミュニケーションのツールであり、お互いの予定や気持ちを伝えるために欠かせない報連相。人に想いを伝えるうえで、自然にやっているものともいえるでしょう。

大事な要件は「自分の言葉で相手に伝える」

今の時代、連絡手段も多様化し、何かをつたえるのもメールなどで簡単にできるようになりました。
ただ、大事な用件はやはり「自身の言葉で直接相手に伝えること」が重要です。
会社であっても、現場であっても、組織として動きます。組織である以上、それぞれの役割があり、自分ひとりでなにもかもやれるわけではありません。

報連相は当然必要です。これが欠けているとミスやトラブルの原因にもなります。報連相の風通しが良い組織であれば、悪いほうに向かう確率も抑えることができます。

建設現場においても、機械化が進んだとはいえ、人の手はどうしても欠かせません。
多くの人が関わり、人の手があるからこそ、ものづくりが成り立っているのです。

「些細なことだから伝えなくてもいいだろう」

こういう考えは非常に危険です。たとえ些細なことでも、共有することでお互いの安心安全につながります。

報連相は欠かせないものであることは感じてもらえたと思います。
ぜひ積極的に、そして意識的に伝える行為を実践するようにしてみてください。

報連相の中でも「相談」が一番難しい?

ここで私自身、『自分か一番できなかったのはどれなのか』と考えてみると…

結論、“相談”でした。

上司から「困ったらなんでも相談しなさい」と度々言ってもらっていました。
しかし、なかなか相談しなかったのです。
なぜなのか?それは、自分自身でなんとかしようとする気持ちが強すぎて相談しなかったのです。
これに尽きるのですが、今さらながらここは反省しきりです。

考える努力をせず、なんでもかんでも安易に頼り過ぎるのは良いとは言えません。

しかし、組織の中で動く以上、現場が回らなくなる事態を招くことは避けなければなりません。臨機応変に行動することは正しい術でもあるのです。

自分の価値観や仕事に対するこだわりは大事にしたい部分です。
ただ、これがときに邪魔をする場合があることを理解しておくことが必須です。

「仕事が嫌だ」と感じたら考え方を変えてみる

現場を管理する立場であれば、あらゆることを考えて行動しなければなりません。責任も付いてまわります。全体の把握も必要です。

そのために報連相は非常に大事なツールと言えます。
加えて、あいさつと声かけと確認。これらをあわせてやることで強固な組織づくりにつながるでしょう。

これを読んでいる方の中で「現場管理って大変だ」と感じている方がいるかもしれません。
もちろん、現場管理の仕事は精神面においてもヘビーな部分があるのは否めません。
でも、どのジャンルの仕事でも相応に気苦労はあります。決して楽な仕事など存在しないのが現実です。

仕事に限らず、楽しくないことは誰しもやりたくはありませんよね。
今、あなたが楽しいと感じているなら言うことはありません。
少しでも「嫌だ」「やめてしまいたい」と感じているのなら、考え方を見直してみましょう。

仕方なくやるというのは、当然つらく、苦しい。そして楽しくないですから。

今この瞬間を大事に、仕事を「楽しむ工夫」を

では、どのような考え方をすればいいのか?

もちろん、人それぞれに価値観があるので考え方も人それぞれです。なので、ひとつ挙げるとすれば「楽しめる工夫」をすることです。

  • 目標、目的を持つ
  • 余暇に楽しみを持つ
  • 仕事の中に得意なものを見つけ出す

目標、目的でのおすすめは『目標達成シート』をつくることです。あの大谷翔平選手も高校時代に作成して、目標を叶えてきたといいます。
漠然と仕事をこなす日々ではもったいない!目の前の課題に真摯に取り組むことができれば、未来に後悔を残すことも避けられるでしょう。

経験35年の私から言えるのは、何年やっても「もっとああすればよかった」「もっと考えてやればよかった」という後悔や反省ばかりだということ。
何もしなくても一日は過ぎていきます。5年、10年など足早に過ぎていくのです。
その時に後悔ばかりが残るのは非常にもったいないですよね。

ぜひ、今のこの瞬間を大事にして、仕事を通じて楽しみや楽しむ工夫を見出してください。

報連相は伝えるチカラ、楽しむ工夫は考えるチカラ

報連相から話がかなり横道にそれてしまいましたが、“報連相は伝えるチカラ”であり、“楽しむ工夫は考えるチカラ”です。

この2つのチカラをつけることで仕事が徐々に楽しくなると思います。
そして、時間を大切にしてください。工事は工期があり利益に直結しますし、あなたの命を使ってものづくりをしているのです。

“時は金なり、命なり”

【PS】
大谷選手の目標達成シートは、ネットで検索すると出てくるのでぜひご参考に!

作者紹介 りゅう坊さん

作者紹介 りゅう坊さん

関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。

◆りゅう坊さんのブログ:DIYとWorkを簡単に! りゅう坊の楽楽ブログ

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