第6回:あなたはメモってますか?【若手社員向け建設業界の豆知識】

おつかれさまです!りゅう坊です。
今回は『手書きのメモ』の重要性について書いていきます。
昭和からは考えられないIT化の時代
今じゃパソコンなしでは仕事になりません。施工計画を初め、書類作成に欠かせないどころか、あたりまえにパソコンのある生活になりました。
施主さんとのやり取りもASP(情報共有システム)などの電子ベース、報告書や連絡手段もオンラインが主流であり、現場立会も遠隔臨場が進められています。
ふと考えてみると、自分が超若手だった40年前は、パソコンではなく、ワープロでもなく、手書きの時代であり、図面作成もCADなんて、そもそもありませんでした。
写真もプリントしたものをアルバムに挿し込んで、説明欄も手書きで書き込んでいました。
しかし、昭和から時代の流れと共にIT化が進み、あらゆるものが進化してきました。もう、書類も手書きがあたりまえに通用しなくなりました。
今回お話するメモについてもスマホに残せる時代です。
スマホだと、持ち運びはできるしサッと目も通せると来れば、紙と鉛筆もいりません。まったく便利過ぎます。
言葉の意味もスマホで調べればわかります。ですが、文字を手で書かないと漢字そのものは覚えづらい、このような不安があります。
便利さが人間を退化させてしまうことが懸念されます。とはいえ、これも進化の流れであり、止まりません。
元来、人間の脳は複雑さや難しさを嫌うものです。単純にカンタンなものがいいので仕方ないのです。
あえて考えたい!手書きのメモの重要性
ここを腹落ちさせたうえで、あえて考えたい。それはメモの存在です。紙と鉛筆です。
鉛筆じゃなくてもいいですが、自身の手で文字を書く。これを少しでも習慣化することをおすすめしたいのです。
メモというのは、聞いたことを忘れないように書き残すものです。
キーボードで打ち込むよりも、手で書くことによって脳への定着率は上がります。学生時代、授業でノートを取ったと思います。あれと同じです。
なぜ、ノートを取るのか?記録だけでなく、記憶に残すためだと自分は考えています。
昔話なんてすると非常に恐縮なのですが、スマホの前はガラケー。ガラケーの前は固定電話・公衆電話。固定電話や公衆電話の際は、必ずと言っていいほど、メモを取るのがあたりまえな時代でした。
今じゃ、メールやチャットという手段が取れるし、なんといっても、ひとりひとりが電話を持つ世の中になりました。
とはいえ、現在も大事なことはメモを取ります。忘れないために、ここは変わらぬ手段として使われるのです。
大事なことはもちろん、気づいたことや人に伝えなければならないことなど、やはりメモが生きてきます。残しておくことによって助かる・役立つ場面が結構あるのです。
プロ野球中継が好きな方ならご存じかもしれませんが、多くの一流選手がベンチでメモを取っている姿を見たことがありませんか?
自身の仕事の良いところ、うまくいかなかったところをメモしているといいます。次の試合や練習に生かすため、そしてそれらを忘れないためにやっているのです。その道のプロであっても基本に忠実ということです。
書類作成には現場の記録が欠かせない
建設業は、机上の書類作成も非常に多いですが、それには現場でのデータ収集が欠かせません。
- 材料の入出庫管理
- 労働人員数、時間
- 機械の稼働時間
- 設計数量、出来形数量
- 測点、測量管理
資料の作成や整理をするためには、記録が必要なものがたくさんあります。
すべてをアタマの“自家コンピューター”に詰め込んで保存するのは究極、困難です。
アタマの柔らかいうちは記憶力もありますが、目が回るほど情報過多のこのご時世です。
人間は記憶もするけど忘れもする生きものです。何かしらメモすることが必須なのです。
デジタル化でどんどん変わる建設現場
話が横道に行きますが、様々な進化によって昭和世代にとってもありがたいことが増えました。
建設現場の業務でいうと…
【連絡手段】
- 携帯電話
- 電子メール
【書類作成】
- パソコン
- 電子写真
- CAD図
【測量作業】
- トータルステーション
- 電子レベル
【管理ソフト】
- 写真管理
- 出来形管理
- 測量計算
【その他】
- デジタルカメラ
- ノギスや計量器もデジタル表示
あらゆるものがデジタル化です。アナログ世代にとっては、驚きとワクワク感と少し戸惑い混じりです。
便利さは、超効率化につながります。ありがたい進化のおかげです。そして近年、ICTの導入なども進められていて、建設現場はどんどん変わっていくことが予想されます。
とはいえ、まだまだ“リアルな現場作業”では、アナログなことが多岐にわたります。
『野帳』の活用をおすすめします!
ここでまた、話を横道から戻すと、メモさえスマホなどに入力できる時代ですが、ここであえて“紙と鉛筆”です。
『野帳』を存分に活用するのです。
野帳はレベルブックといわれるように、測量作業で利用しますが、メモとしても利用することをおススメします。
個人的なことで恐縮ですが、この業界に入って初めての現場では、上司や現場の職人さんから教わったこと、作業の実施時間などを細かく野帳に書いていました。
手書きのメモは消しゴムで消さないかぎり消えません。スマホなどのデータは飛んだら終わりです。

文字を手書きしないこのご時世、今回の話を機に、脳の活性化も含めたメモの重要性を今一度、考えてみてください。
ところで…
『あなたはメモってますか?』
作者紹介 りゅう坊さん
作者紹介 りゅう坊さん
