若手社員向け建設業界の豆知識_~経歴35年土木現場監督のあるある話~
第6回『あなたはメモってますか?』
おつかれさまです!りゅう坊です。今回は、メモの重要性について書いていきます。
今じゃパソコン無しでは仕事になりません。施工計画を初め、書類作成に欠かせないどころか、あたりまえにパソコンのある生活になりました。施主さんとのやり取りもASPなどの電子ベース、報告書や連絡手段もオンラインが主流であり、現場立会も遠隔臨場が進められています。
ふと考えてみると、自分が超若手だった40年前は、パソコンではなく、ワープロでもなく、手書きの時代であり、図面作成もCADなんて、そもそもありませんでした。写真もプリントしたものをアルバムに挿し込んで説明欄も手書きで書き込んでいました。
しかし、昭和の時代から流れと共にIT化が進み、あらゆるものが進化してきました。もう、書類には手書きがあたりまえに通用しなくなりました。
今回お話するメモについてもスマホに残せる時代です。
スマホだと、持ち運びはできるしサッと目も通せると来れば紙と鉛筆も要りません。まったく便利過ぎます。なので、文字を書かなくても言葉の意味はスマホなどで調べればわかります。ですが、書かないと漢字そのものは覚えづらい、このような不安があります。もちろん自分も含めてです。
便利さが人間を退化させてしまうことが懸念されます。とは言え、これも進化の流れであり、止まりません。元来、人間の脳は複雑さや難しさを嫌うものです。単純にカンタンなものがいいので仕方ないのです。
ですが、ここを腹落ちさせたうえで、あえて考える必要があるのです。
それはメモの存在です。紙と鉛筆です。
鉛筆じゃなくてもいいですが、自身の手で文字を書く、これを少しでも習慣化することをおススメしたいのです。
メモというのは、聞いたことを忘れないように書き残すものです。
キーボードで打ち込むよりも手で書くことによって脳への定着率は上がります。学生時代、授業でノートを取ったとおもいます。あれと同じです。
なぜ、ノートを取るのか?記録だけでなく、記憶に残すためだと自分は考えています。
昔話なんてすると非常に恐縮なのですが、スマホの前は、ガラケー携帯。ガラケー携帯の前は、固定電話・公衆電話。固定電話や公衆電話の際は、必ずと言っていいほど、メモを取るのがあたりまえな時代でした。
今じゃ、メールやラインという手段が取れるし、なんと言ってもひとりひとりが電話を持つ世の中になりました。
とは言え、現在も大事なことはメモを取ります。忘れないためにここは変わらぬ手段として使われるのです。
大事なことはもちろん、気づいたことや人に伝えなければならないことなど、やはり、メモが生きてきます。残しておくことによって助かる・役立つ場面が結構あるのです。
プロ野球のテレビ中継が好きな方ならご存じかもしれないですが、多くの一流のプロの選手がダッグアウトでメモを取っているのを見たことがありませんか?
自身の仕事の良いところ、うまくいかなかったところをメモしています。次の試合や練習に活かしたりするため、そしてそれらを忘れないためにやっているのです。その道のプロであっても基本に忠実なのです。
建設業は、机上の書類作成も非常に多いですが、それには現場でのデータ収集が必須です。
- 材料の入出庫管理
- 労働人員数、時間
- 機械の稼働時間
- 設計数量、出来形数量
- 測点、測量管理 など。
作成整理するためには記録が必要なものがたくさんあります。
すべてをアタマの自家コンピューターに詰め込んで保存するのは究極、困難です。
アタマの柔らかいうちは結構記憶もしていますが、このご時世、情報過多と相まってめくるめくものがあり過ぎます。人間は記憶もするけど忘れもする生きものです。何かしらメモすることが必須なのです。
話が横道に行きますが、ご勘弁ください。
進化によって、昭和世代にとってもありがたいことが増えました。業務の中で言うと・・・・・・
【連絡手段】
・携帯電話
・電子メール
【書類作成】
・パソコン
・電子写真
・CAD図
【測量作業】
・トータルステーション
・電子レベル
【管理ソフト】
・写真管理
・出来形管理
・測量計算
【その他】
・デジタルカメラ
・ノギスや計量器もデジタル表示
あらゆるものがデジタル化です。アナログ世代にとっては、驚きとワクワク感と少し戸惑い混じりです。便利さは、超効率化に繋がります。ありがたい進化のお陰です。そして建設現場でも近年ICTなども進められていて、どんどん変わっていくことが予想されます。とは言え、まだまだリアルな現場作業ではアナログなことが多岐にわたります。
あえて推薦します。『野帳』の活用!!
ここでまた、話を横道から戻すと、メモさえ、スマホなどに入力できる時代ですが、ここであえて“紙と鉛筆”です。
野帳を存分に活用するのです。
野帳は、レベルブックと言われるように測量作業で利用しますが、メモとしても利用することをおススメします。
個人的なことで恐縮ですが、会社に入って初めての現場では、上司や現場の職人さんから教わったことや作業の実施時間などを細かく野帳に書いていました。手書きのメモは、消しゴムで消さないかぎり消えません。スマホなどのデータは飛んだら終わりです。
文字を手書きしないこのご時世、今回の話を機に脳の活性化も含めたメモの重要性を今一度、考えてみてください。
ところで。。。
『あなたはメモってますか?』
関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。
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