若手社員向け建設業界の豆知識 ~経歴35年土木現場監督のあるある話~
第4回 ONとOFFの切り替え
おつかれさまです!りゅう坊です。
第4回目の今回は、タイトルで言うONとOFF。これをうまくコントロールしましょう! という話をします。
1.時間は平等だが働き方は不平等
いきなり平等とか不平等なんて言うと、「なにが言いたいの?」となるかも知れません。
あらためてですが、人には等しく1日24時間というものが与えられています。たとえば、「自分は忙しいから30時間ほしい」とか言っても叶わない現実で、あたりまえのことですよね。
その中でそれぞれほぼ決まった行動の時間があります。
睡眠時間、食事時間、休憩時間、そして仕事・労働時間。
なかでも休日以外の日で一番時間を使うのが仕事・労働時間です。
ごく平均的な時間配分で言うと、睡眠を8時間、仕事・労働が8時間として計16時間です。そして空いた時間、いわゆるプライベートや自由時間といったものが8時間です。
これは、あくまで通常であって、現実は通勤や早出、そして残業が加わるとどうでしょう?
自由な時間は、確実に減っていきます。
早出、残業などが加わったうえに睡眠時間まで削ってしまうと、ほぼほぼ仕事・労働に時間を捧げていることになります。
2.現実に目を向けて時間を大事にする
できるだけ仕事の時間と自分の時間、いわゆるプライベートの時間にメリハリをつけてモチベーションを持続させなければいけません。
どちらかにズルズル行ってしまうと、良くないことは、想像できるとおもいます。
あなたが現場監督、現場責任者であるならひとつの工事期間中、気が抜けない状態が続き緊張感の中、疲労感が蓄積する時間のはずです。
また、若手社員の方であれば立場もさまざまで技術習得に加え、工事の流れや進め方、実作業をしてくれる職人さんたちへの指示伝達など、ライブな現場では、とても忙しい日々を送って疲れも倍増、なんて感じになるでしょう。
ただ、若手の頃って体力もあるのでカラダは結構、ムリも効きますし、ついついやり過ぎてしまいます。若いからと言ってムリが重なると徐々に負担も大きくなります。様子を見つつ注意しながら休養することも必要です。
一番大事なのは、仕事・労働をこなすためには、自己体調管理に十分配慮しなければいけません。なんと言ってもカラダが資本なのですから。
キーポイントは自己コントロール!注意すべきは“やり過ぎる”こと
ただこれは、老いも若きも共に言えることであり、自己コントロールは、大きなキーポイントになります。
建設現場においても忙しくなればなるほど体力の消耗もありますが、業務を遂行する中で体力面と合わせて大きな負担になるのは、メンタル面の疲弊です。
体力面は、あちこちが痛くなって悲鳴をあげる段階になると限界も表面化するため、わかりやすいですが、メンタルといった精神面で言うと、気付かぬうちに限界を超えるところまでガマンしたりするのです。というより自覚症状が鈍くなったりします。
知らぬ間に鬱(うつ)の状態、不安定な状態といった症状を引き起こすケースもあるのです。
業務は、真摯に向き合わなければならないですが、生真面目過ぎても自身を追い込んでしまう場合もあることを肝に銘じて過ごすようにしてください。
自分自身もなんでも “過ぎる” という行動は、心身に決して、いい効果を与えないということを経験から学び、痛感しました。
- 考え過ぎる
- 頑張り過ぎる
- 懸命にやり過ぎる
- 真面目過ぎる
- 熱すぎる
仕事となると、やらなきゃならないという気持ちが成せることでもあるのは仕方がありません。でも、どこかのタイミングで一旦停止することも気に留めておかなければなりません。
正直、若いころのように気持ちは十分あってもカラダが言うことを効かないことが増えていきます。
ことわざに “過ぎたるはなお及ばざるがごとし” というものがあります。
これは、何事もやり過ぎると、やり足らないのと同様に良くない、ということです。
足る・足らないというラインの見極めが難しいところではあるのですが、すべてにバランスというのも大事なことです。
とは言え、任された業務を遂行するには、責任が付いてまわるため、やってしまうのです。責任感があればあるほど、ついつい“過ぎる”行動になってしまうものです。
人間は、自分自身をコントロールできます。
日頃から“過ぎる”という境界ラインを意識して自分に負荷が掛かってきたと判断したときは、遠慮なく、上司や同僚に伝えることです。
期待に応えなきゃと、頑張り過ぎてカラダを壊してしまっても意外に代わりの人間っていることに気付くのです。
責任感は非常に大切な感覚ですが、かたまりのようになって、壊れてしまっては誰も喜びませんし、自分が悲しくなります。
忙しい中にもONとOFFを切り替えてメリハリを付け、自分をコントロールしていく、これが働く“肝”となります。
【今回のあるある】
時間についてお伝えしましたが、現実の話として、ものづくりの現場では時間で区切れない作業の場合も発生します。
準備や片付けの段階に余分に必要な時間も要します。これは働く人にとってはよくある話の1つですが、各職場で十分な意思疎通をはかり、納得のうえ業務にあたることが大切です。
関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。
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