若手社員向け建設業界の豆知識_~経歴35年土木現場監督のあるある話~

コラム

第3回 ブルーカラーな世界





第3回目にあたる今回は、建設業をブルーカラーの世界として、私の経験も踏まえたお話をします。

ユニフォーム

建設現場で働いていると、サラリーマンという感覚をあまり感じません。
入社当時、ブルーカラーな仕事に就いた実感があったのは確かです。
ユニフォームは年中、作業着で済むのでスーツのようにさほど気を遣わず、いい意味で雑に扱えます。
スーツを着るのは年1で、正月の例会ぐらいのもの。
作業着を年中身にまとっていると、不思議なことにだんだんと似合ってくるのです。

「ユニフォームが似合う建設人でありたい」
なんて言うと、大げさだなと思うかもしれませんが、“着こなし” これ、とても大事です!
イメージアップにも直結することを意識したいものです。

ヘルメット



建設の作業現場では、必需品です。
その人の大事なアタマを、ひいては命を護るもの。
なのに「かぶってください」なんて指導しなきゃならない現実があれば論外です。
即刻出禁措置をとるべき事象ですね。



耐用年数があるのでこれもチェックをお忘れなく!

安全靴



つま先に材料が落ちて被災するケースは多々あります。必ず着用すべきです。
現在は、スニーカータイプのものなど見た目が良いものがたくさんあります。
見た目や格好で仕事するのも意味が違うかもしれませんが、カッコ良さも大事な道具だと考えます。
長靴も安全長靴がありますし、ぜひ利用すべきです。

保護手袋

人間の肌は、感覚を計るためにはとても敏感であり、与えられた産物です。
触手により材料の状態を観る場合もありますが、コンクリート、鉄筋、土砂など様々なものに触れる機会が多いので保護手袋は必需品として考えましょう。
手先のケガが最も可能性が高いはずです。

安全管理

安全管理に完璧はないと言われます。いくらやっても何かしら出てきます。
ヒューマンエラーという言葉があるように、人間はミスを犯す生き物だからです。
誰しも好んでミスをしようとしないし、したくないのは当然のこと。

しかし、エラーは付き物なのです。どんな世界を例にとってみても必ずあります。全には避けられないものです。
小さなミスが重なって大きな事故に繋がります。
そのために安全管理は、完璧のない継続作業として捉えておくべきです。


3Kと言われた建設業界



キツイ・・・そんな業界はたくさん存在するはず。
キタナイ・・・どこを見て言っているのか知りませんが?
キケン・・・確かに伴う場面は多いです。ただ、危険な業種は他にもあります。

3Kと言われたこの業界ですが、肉体労働のイメージや安全性の不安からのものは否めない部分もありながら現状は、改善されてきています。
とは言え、そもそも論として危険を伴う作業場面はあるにしろ、自分がこの業界に入った頃から3Kという呼称は疑問でした。

機械がどんどん進んだ現状からみてもスコップやツルハシをフルに振り回すようなイメージは消え、わかりやすい誇大表現に使われていたものであると、個人的には感じています。
擁護の意味で言っているのではなく、高度成長期の誹謗中傷のように捉えています。

逆に嫉まれるほどの誇り高き業界であるのは間違いなしです。


労働時間の実情



ものづくりの世界です。
ましてやリアルな現場作業という場では、途中でストップが掛けられない場面が多くやってきます。
時間が超過するケースもある半面、段取りによっては早仕舞いのケースも発生します。
工期という期日の約束事があるため、時間配分の設定が重要ポイントになります。
ただ、裏を返せば期日内の時間のペース配分が委ねられているので融通が可能な利点もあるわけです。

労働面でブラック化するのは、工期に無理がある場合に起こります。
これは確実にキツイです。
時間の制約、これはどの業界にも言えることであり、何かを提供するためには避けて通れないものだと認識していれば抗う必要もないと進言します。
ただ、時間と作業量が比例していないと必ず歪みは出ます。これが単純に問題なのです。


1現場は1店舗



現場ひとつひとつが、一つのお店です。
そこに資本が投じられて予算を組み、施工の計画を立て、準備作業を経て店舗の営業が始まります。
あなたが責任者であれば、その店舗のオーナーとして経営して行くわけです。
さまざまな責任が付いてまわることになりますが、やり甲斐も感じられます。
緊張感を持ってやりきった先には、自信と経験値のほか、自身をひと回り成長・前進させてくれるはずです。

苦しいこともつらいときも逃げ出したいときもあるのは必然です。
それでも場数を多く踏むことによって、やり甲斐と自信が爆上がりするのは間違いなしだと思います!


建設業の3K



新3Kというものが公表されています。
・給料が良い
・休暇が取れる
・希望が持てる

これは、個人的な見解として第1回のコラムでお伝えしましたが、『考える・感じる・気づく』という3K。
さらにこれによるリターンを考えた場合、『感謝される・感動できる・快感がある』というものをプラスします。
このプラスした3つを得られないと魅力も感じないのではと思いました。
なので、3Kに始まり6Kと成す。つまり、結果は倍増するということです。

建設業は、人間の根底に存在する“ものづくり”という欲情、これをリアルに体感できる臨場感たっぷりのライブスペースだと感じています。
自分が長く続けてきた、そして続けてこられた要因は、ここにあります。
建設業も人手不足の課題を指摘されている現状は否めません。

労働環境や人気、不人気の面も言われていますが、個人的には、疑問に感じています。
オートメーション化が進化することは非常に歓迎すべきことです。
ただ、これによって職人と言われる方達の出番が減少し、技術も伝承されず、ものづくり本来の枠組みが狭小化してきたことに危惧を感じるのです。

今後、業界の流れはどのようになっていくのか?
ボクごとき一個人が伝えられることは、微々かもしれません。
ですが、伝え続けて行くことも使命だと自分に言い聞かせ、発信していきます!


◆作者紹介 りゅう坊さん
関西在住。1級土木施工管理技士。中堅ゼネコンで土木工事現場監督35年の経歴を持つ。
現在も請負で施工管理業務のほか土木建設工事のお悩み相談、管理書類の作成補助を行うなど、趣味のDIYと合わせて人生を謳歌中。自身のブログ『りゅう坊の楽楽ブログ』では、サラリーマン時代の経験をもとに人生、人間関係について考察中。また、ウッドデッキのつくり方やネットビジネスの始め方などの無形商品(コンテンツ)の作成・販売にも対応している。

りゅう坊さんのブログ   DIYとWorkを簡単に! りゅう坊の楽楽ブログ

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