車と暮らす

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車と暮らす

【コラム 1級建築士による建設アラカルト】【独学1級建築士 nandskさん】



ゴールデンウィークには3度目の緊急事態宣言が出されましたが、コロナ禍で車での移動が見直されていますね。密を避けて移動できる車は、これからの時代重要な移動手段になってくると思います。是非はともかく、電車や飛行機に比べ高速道路はコロナ禍でも混雑が目立っています。改めて注目されている車。今回はそんな車と暮らすことについて考えてみましょう。

車と暮らす家と言えば、まず思いつくのはガレージハウスでしょう。住宅に併設された車庫に車がきれいに収まっている様は、まさに車と暮らすための家。家の中から直接ガレージに移動できるため、雨の日でも風の日でもガレージから車に乗り込むことができるので、雨に濡れることなく車に乗り込むことができます。当然、雨風を防げるので車の寿命も長くなります。車に悪戯される心配もありませんしね。
ガレージはちょっとした物置にもなるので、車を整備する道具なども揃えておくことができ、簡易的な自動車整備ならできるでしょう。車を大切にする人はガレージハウスにしたがるはずです。

ガレージハウスにはこういった車へのメリットや生活へのメリットだけでなく、建築基準法上のメリットもあります。
建築基準法の容積率の算定には延べ面積の1/5を上限に、駐車場は除外できる緩和規定があります。駐車場意外にも防災用の倉庫や共同住宅の共同廊下などは容積対象外となることで知られていますが、こういった空間を作るのは容積率を有効に使えるだけでなく、固定資産税の計算外にもなるんです。条件を満たせばガレージを作っても作らなくても固定資産税も容積率も変わらないということですね。
ただし、ガレージを作る分の建築費用などは当然高くなりますので、ガレージハウスを検討している人は注意しましょう。

ガレージから離れてみると最近はEV(電気自動車)を購入する方も増えています。
充電ステーションの整備も国が主導で進めており、東京都では大型建築物には電気自動車の充電設備の導入を義務付けました。これにより、今後は加速度的にEVが増えていくことが考えられますが、そうなると自宅にも充電設備が必要になりますね。充電設備には高速充電対応のものもありますが、自宅であれば費用の安い低速用で十分でしょう。
充電設備とEVは非常時のバッテリーにもなり、災害対策としても効果的で、災害に強い家づくりにはEVが必須になってくるかもしれません。

東京都心部以外では住宅には車の駐車スペースがセットになるものです。マンションであれ、戸建て住宅であれ、日々進化する車に合わせて住宅側も駐車スペースの在り方を考える必要があるでしょう。住宅購入を検討している方は車や駐車スペースについても考えておくと安心です。



今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

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