税務調査で必ず見られるポイントを解説します!
税務調査について
今回は税務調査についてお話し致します。
税務調査ってそもそもどの会社が対象となるの?とか、何年に一回あるの?とか税務調査は怖いの?とか色々と疑問を持っていると思います。
そんな税務調査についてお話ししたいと思います。
選定について
皆様は毎年税理士に申告書の作成や申告を依頼していると思います。
その申告データが国税庁のシステムに登録されて管理されております。そのデータ化された数字により、例えば前年比で異常値があったり、利益率が異常に低かったり、などでシステムが候補を絞り、その中から調査官が選択していくことになります。この調査官は、税務調査を年間何件やるかなどのノルマがあり、調査で指摘事項が見つかった場合には評価に繋がっているそうです。
調査官側に立って考えると、赤字が続くような会社よりは、毎期利益があがっていたり、前年度比で外注費が大きく増えたような会社のほうが調査したくなると思います。
また、大きな指摘があったような会社ではまた来年も行きたくなりますし、逆にまったく指摘が無くてしっかり経理しているような会社は、頻繁に行く必要がないと考えられるので、調査官もそのように調査先を選定しているかと思われます。
実際の調査の流れについて
申告書を税理士に作成してもらっている場合には、税務代理権限証書というのを提出します。 これにより、税務署は先ず調査したい旨を税理士に連絡し、その後会社と日取りを決めることになります。
調査の日数としては、おおよそ中小企業で2日間、規模の大きいところで3日、上場企業などで1週間から、長いと1ヶ月もかかったりします。当日の午前中は会社の概要や、経理の状況等を確認してきます。
そして会社側では元帳や証票類の資料を用意しておき、それらをもとに調査をすることになります。
では実際の調査で何を必ず見るか、一番は売上です。売上の期ズレや計上漏れがないかを確認します。今期に計上すべきだった売上を翌期に入れてないか、ここはまずどの調査でも必ず見ます。
その逆に仕入で翌期の仕入なのに今期に前倒しで入れてしまっていないか、などです。
次に前年比で大きく変動している金額です。
調査官はあらかじめどこを見るか決めてきているようで、福利厚生費が去年より大きく増えていますが何かされましたか?など、調査が始まって資料も見ずにすぐに聞いてきたこともありました。
ですので、事前に国税庁のシステムで確認して、どこを見ようかとあたりをつけてから調査を行っています。 外注費もよく確認されたりします。外注費は、従業員ではないので、外注先の方がちゃんと確定申告しているかを確認したりします。 反面調査とも呼ばれています。契約書の確認もよくしますが、その際にしっかり印紙を貼っているかをみます。 大法人等は、印紙税だけの調査をするケースもあるほどです。
あとは交際費で処理しているが社長の個人的な支出なので役員賞与では?といった観点からもよくチェックされます。 赤字の会社は調査に来ない、と聞いたことがある方もいるとは思いますが、赤字の会社でも調査には来ます。 赤字の会社って、指摘事項があっても結局税金には影響なかったりするから来ても意味ないのでは?と思うかもしれませんが、売上の期ズレなどで消費税の追加納税が生じて、それに係る過少申告加算税が取られたりします。
『赤字なら絶対にこない』ということはありませんのでご注意を。
税務調査は怖いの?
一昔前の税務調査では、調査官が怒鳴ったり、難癖をつけて無理やり修正申告をしろと脅してきたケースもあったようです。
今度我々を接待したら今回の指摘は見逃してやろうなどと要求してきたという話を聞いたこともあります。
しかし、今のご時世でこんなことをしたら大変ですね。。。
どの調査官がくるかは運のようなところはありますが、最近の税務調査は比較的緩いのではという個人的な印象です。台風が来そうなのでもう調査は終わりますねと言われて予定よりも一日早く撤退していったこともありました(笑)。もちろん、緩いとはいっても誤った申告についてはしっかり指摘してきますが、税理士に依頼して適切に申告をしていれば全く怖がる必要はないです。
最近はコロナの影響で税務調査も減っていると言われています。去年の4月頃の調査については、予定していた調査もキャンセルになったそうです。さすがに税務調査の影響でコロナが蔓延したなんてことになったら大変ですから、調査する側も調査しにくかったのかと思います。
このコロナ禍がいつまで続くかは分かりませんが、何はともあれ適正な申告をしていれば何も怖いことはないので、日々の会計処理や書類の整理はしっかり行なって対応しましょう。