穴を開けない屋根改修、シーガード工法

コラム

穴を開けない屋根改修、シーガード工法

【コラム 1級建築士による建設アラカルト【独学1級建築士 nandskさん】

 

建築物の定義は屋根があることです。そして、この屋根で雨漏りした場合には当然補修が必要です。

一般的には、防水塗料を塗る「塗装改修」、既存の屋根を壊し新たに新設する「葺き替え改修」、古い屋根の上に新しい屋根を設置する「カバー工法」があり、公共事業でもほとんどがこういった手法を選択します。

しかし、この3つ以外にも最近は「シーガード工法」という改修方法があるのをご存じでしょうか。

  

  

シーガード工法とは、カバー工法の一種で、既存の屋根の上から新しい屋根材を被せていくのですが、カバー工法と違うのは特殊な接着剤で止めていくということです。

カバー工法ではビスを用いて、既存の屋根に新しい屋根を止めていくのですが、これだとビス穴が開いてしまい雨漏りの原因になることもあります。当然、ビスで止めるよりも簡単ですので、早く・安くできる点も大きなメリットです。

特に、既存の屋根材が古い場合はアスベストを含有している場合があり、屋根材に穴を開ける行為はアスベストを飛散させる恐れがあることから、そういった心配のないシーガード工法は古い建物にもおすすめです。

    

もちろん、ただの塗装改修よりも新しい屋根材で建物を覆うことができるので、耐久性は高くなりますし、葺き替え改修よりも短い工期で居ながら工事にも対応しやすいです。

そしてこのシーガード工法、副次的なメリットもあり、それは新しい屋根を止めるための接着剤。この接着剤は熱や音を吸収する効果があり、屋根全面に接着剤を塗布することから屋上断熱や騒音防止にも一役買ってくれるんです。

音を吸収するということは振動を吸収するということで、地震時の揺れや台風などの強風による揺れも吸収してくれるというメリットもあります。

    

接着剤というと強度に不安を持たれる方もいるかもしれませんが、ビス留めだって100%の強度ではありません。どんな施工方法でも事故はありえます。

そして、人為的なミス、つまり施工不良による事故も残念ながら起きてしまう時はありますが、ビス留めに比べると施工が簡単なシーガード工法は施工不良は起こりづらいです。

公共施設や大規模建築物にもシーガード工法は実績があり、強度に不安を持つ必要は無いと思います。

    

もし、屋根の改修を考えているのであれば、シーガード工法も考えてみるといいかもしれません。

   

  

今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

 

関連するBLOG

屋根の種類とそれぞれの特徴

コラム

普段何気なく目にする建物の屋根。実は、屋根には形状ごとに名前があり10種類以上に分類されるんです。

デジタルツイン

コラム

デジタルツインという言葉を聞いたことはありますか?...

TOP