個人的には平屋に住みたいが……

コラム

個人的には平屋に住みたいが……

【コラム 1級建築士による建設アラカルト【独学1級建築士 nandskさん】

 

今回はすごく個人的な話ですが、私自身は平屋住宅に住むことに憧れています。思い返せば、学生時代の設計課題でも住宅は平屋をベースに検討することが多かったので、なんだか平屋が好きなんだと思います。

そんな平屋についてと、平屋のメリット、デメリットを簡単にまとめてみます。

  

  

まずは、平屋での暮らし。

2階部分が無い平屋の場合、設計上の制約は意外と多いです。通常、家の中での一等地は日当たりの良い南面で、リビングやダイニングキッチン、寝室、子供部屋などを南面に計画します。

2階建ての住宅であれば、1階の南面にリビングとダイニング、2階の南面に寝室と子供部屋にできますが、平屋だとすべての部屋を南面にするのは至難の業です。

さらに、内部動線を考えても、2階建て住宅であれば玄関ホールと階段に面してすべての部屋を設けることで廊下を少なくできますが、平屋の場合は廊下が長くなりがちです。廊下は無駄なスペースになってしまいますし、どこへ移動するのも廊下を通ることで家族感のプライバシーも確保されにくいです。

    

さらに平屋では容積率を無駄にしてしまうことが多いです。

容積率とはその土地に何㎡までの床を造ってもいいよ、という制限で、100㎡の土地で150%の容積率であれば150㎡まで床を造れることになります。

住宅地では容積率200%前後が多いですが、平屋では庭も確保するとせいぜい50%程度の容積率しか使いません。土地の価格にも影響する容積率を最大限に活用しないのはもったいないですね。

    

ここまで聞くと平屋のデメリットばかりですが、こういった制約があるから設計者として平屋に挑戦したくなるのかもしれません。

容積率が余るなら屋上庭園を設けたり、中庭やサンルームを設けたりするのもいいでしょう。中庭は日当たり確保にも一役買ってくれます。

プライバシーを確保するため、専用の出入口を設けることや、平屋だけど少し段差を設けたりロフトのある空間を作ったりするのも面白そうです。

  

容積率が余るだけでなく、工事費が割高になり税金も割高になる平屋住宅。日本の窮屈な住宅事情において、贅沢に感じるから惹かれるんだと思います。

「もったいないから」という貧乏性の精神を捨てて、贅沢に平屋を検討してみても面白いのでは。

   

  

今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

 

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