企業集団確認申請とは?監理技術者や主任技術者の出向に役立つかも!?
建設業法 企業集団確認申請とは?監理技術者や主任技術者の出向に役立つかも!?
建設現場には、その会社に所属する主任技術者か監理技術者を配置しなければなりません。
その主任技術者か監理技術者は、所属する会社と「直接的かつ恒常的な雇用関係」がなければなりません。
また、建設業許可の「専任の技術者」になっている方は、現場に配置される主任技術者か監理技術者になることはできません。
なぜかと言うと「専任の技術者」は、営業所に常駐していなければならないからです。
近年、建設業界は人手不足や資格者不足が目立つので、この主任技術者か監理技術者の配置が会社にとってとてもネックになる事が非常に多いのです。建設会社社長現場に配置しなければならない監理技術者と主任技術者が不足しているんだよね。
行政書士あやなそんな時は「企業集団確認」と言う制度が使えるかもしれません。
企業集団確認って何?と思うと思いますが、簡単に言うと「親会社・連結子会社が1つの企業になってます!」という旨を国土交通省に「企業集団確認」と言う申請をして確認を受けると、その企業集団の中で監理技術者や主任技術者を出向させることができるという制度です。
ただ、条件や注意点があるのでこれから解説します。
Contents
1)企業集団確認を受けられる条件は?
この「企業集団確認」を受けようとする場合は、当分の間は以下の条件全て国土交通省不動産・建設経済局建設業課長に確認を受けなければなりません。
企業集団確認の条件
- ①一の親会社と連結子会社からなる企業集団であること。
- ②連結子会社が建設業者であること。
- ③②の連結子会社が①の企業集団に含まれること。会社または連結子会社のどちらか一方が経営事項審査を受けていないこと。(連結子会社が2つ以上ある場合は、それら全て。)
- ④親会社または子会社が、既に他の企業集団確認の取扱の対象になっていないこと。
- ⑤親会社または連結子会社のどちらか一方が経営事項審査を受けていないこと。(連結子会社が2つ以上ある場合は、それら全て。)
- ⑥親会社が次の全てに該当すること。
・建設業者であること。
・有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない、または、会計監査人設置会社であること。
行政書士あやな企業集団確認を受けた場合は、出向社員は出向先の建設業者との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うことができます。
注意点ただし、出向先の会社が出向社員を主任技術者または監理技術者として置く工事について、その企業集団を構成する親会社、連結子会社、親会社の非連結子会社が、その工事の下請人になる場合は、出向社員を主任技術者または監理技術者に置くことはできません。
2)企業集団の直接的かつ恒常的な雇用関係の確認方法
企業集団確認の取扱では、工事現場等で次の書類によってそれぞれ確認します。
ポイント
- ①健康保険被保険者証で出向元の会社と出向社員の雇用関係を確認。
- ②出向であることを証明する書類(出向協定書や出向契約書等)で、出向先の会社と出向社員との雇用関係を確認。
- ③企業集団確認書で、出向先の会社と出向元の会社との関係が、企業集団の親会社と連結子会社の関係であることの確認。
- ④施工体制台帳等で、出向社員を主任技術者または監理技術者としておく建設工事の下請負人に企業集団に含まれている親会社、連結子会社、親会社の非連結子会社が含まれていないことを確認。
3)出向可能なパターンとは?
企業集団確認を受けると企業集団の中で、親会社から子会社に出向社員を送ることができます。
子会社は、親会社からの出向社員のみを置くことができ、子会社間の出向は認められません。
出向社員を配置した場合は、その工事は企業集団に含まれる連結子会社や非連結子会社が下請に入れなくなります。
これが基本です。
その基本を踏まえて、以下のパターンを簡単に解説します。・子会社から親会社に出向する場合は?
親会社は子会社からの出向社員を置くことができます。
・親会社が発注者兼元請で、子会社から出向した場合は?
親会社が発注者で元請の場合で、親会社は子会社からの出向社員を置くことができます。
その場合も、出向元の子会社(その他、関係会社含む)はその工事の下請に入れません。