フィンテック、いいえコンテックです

コラム

フィンテック、いいえコンテックです

【コラム 1級建築士による建設アラカルト【独学1級建築士 nandskさん】

 

金融(Finansial)と技術(Technology)を組み合わせた造語であるフィンテックという言葉が一般的に使われるようになってきました。

フィンテックという言葉自体は2008年頃から使われるようになったようですが、電子マネーによる決済や送金、PayPayに代表されるスマートフォンを使った決済などはかなり広まってきています。ブロックチェーンを活用したビットコインもまた話題になっていますね。  

フィンテックが金融に関する技術に使われる言葉であるのに対し、建設(Construction)と技術(Technology)を組み合わせたコンテック(Con-Tech)という言葉もあります。今回はそんなコンテックについてみていきましょう。

建設業界のIT化はかなり遅れていました。これだけIT技術が発展した現在においても、いまだに紙の伝票を使用している現場も多いです。そんな建設業界の状況を打破するために国は、「i-Construction」というIT技術の導入による生産性向上を目指した活動を推奨しています。

その効果もあってか、AIを活用した地盤調査結果の予測や、衛星によるレーダー測量などの最先端技術の開発や単管パイプを使って建設現場でWi-Fi環境を構築する技術なども開発されてきました。

これは非常に大きな進歩ではありますが、これらの技術を導入している現場は大手ゼネコンのさらに特殊な現場に限られており、建設業界全体が変わっていくのはまだまだ先になりそうです。  

業界全体にIT技術が進まない理由は「作業員の高齢化」と「低価格競争」の二つだと思っています。建設業の現場で働くいわゆる職人さんと呼ばれる人たちは高齢化が進んでおり若い人の作業員が少なくなってきています。

これは建設業に限った話ではありませんが、慢性的に人材不足の建設業界で新しい技術を導入する余裕が無いのだと考えられます。IT技術に関しては年配の方よりも若い人の方が扱いに慣れており、そういった意味でも高齢化はコンテックを進める上で障害となっているでしょう。

低価格競争というのは、建設業の仕事は行政から発注される公共工事の割合が大きく、公共工事の入札制度が問題になっていると考えます。

公共工事の入札は総合評価方式などもあるものの、その多くが一般競争入札となっており、仕様を満たす水準であればより安い方が受注できる仕組みです。新しい技術の導入にはどうしても初期投資が必要ですので、一般競争入札は技術革新と相性は悪いと言えるでしょう。

IT技術の導入が遅れている建設業界ですが、i-Padを導入する現場なども増えており今後はコンテックが一段と進み、建設業界の新たな時代が到来すると思います。

 

  

今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

 

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