木と共に暮らす日本の住宅|一級建築士による建設アラカルト

ナレッジ/ノウハウ

【Written by 独学一級建築士 nandskさん】

秋も深まり紅葉シーズンになりました。赤や黄色に染まる山はきれいですよね。

やはり日本は自然が豊かだなって感じます。そんな自然を暮らしに取り入れるアイデアが日本の住宅には多いんですよ。今回はそんな自然の中から、「木」をテーマにお伝えします。

住宅には木を使いましょう

鉄筋コンクリートや鉄骨造の建物がありますが、昔ながらの木造住宅がやはり日本には最適です。木材は温湿度により変化しますので、夏は密度が薄くなり空気を通してくれます。逆に、冬は密度が高く締るので、空気を通しません。夏に涼しく冬温かい、天然の温度調整機能です。

木材は火事や地震に弱いイメージがありますが、炭化するので火災にも意外と強く、工法によっては地震に強い構造にすることも可能です。

庭には落葉樹を植えましょう

最近は、都市部では庭を造れるスペースが無いことも多いですが、ぜひ、落葉樹を一本でも植えてみましょう。落葉樹は、夏には葉が茂り日陰を作ってくれますし、冬は葉が落ち陽射しを遮りません。

季節に合わせて最適な空間を作ってくれるのが落葉樹です。さらに、葉や花の変化で四季も感じることができますよ。

室内にも木製家具を置きましょう

家の中にも木を取り入れてみましょう。

木質家具を置くことで一気に室内の雰囲気が優しくなります。実際に、木材には調湿作用があり、夏は湿気を吸収し、冬は水分を放出する天然の加湿器なんです。

使っていると、年々味が出てくるのも木質家具の特徴なので、愛着も湧きますよ。

子育てなら木を使って

木育と言う言葉があるように、木は子育てとも相性抜群。

有害な化学物質も使用されていることが少ないので、子供のおもちゃにも木は最適ですし、プラスチックなどに比べてやわらかい素材なので、子供が怪我をする心配も少ないでしょう。

子どもがいると気になる騒音についても、木には吸音効果があるので、音を吸収してくれます。温もりやリラックス効果もあり、親子共に木に触れるのはいいことです。

さらに成長してきたら木登りもおすすめ。必要な筋力をバランスよく使いますし、バランス感覚なども身に付きます。最近は、山や森で遊ぶことも少なく、自然に触れ合う機会が少ない子供も多いので、木に触れる機会を増やしてあげましょう。

まとめ

昔から日本の住宅資材として使われてきた木。今回は、そんな木を取り入れた暮らしの特徴を紹介しました。木を取り入れるといいことがいっぱいですので、ぜひ暮らしの中に木を取り入れてみてくださいね。

【独学一級建築士 nandskさん】

独学により一級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。二級、一級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す。

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