公共工事にも求められる新たな技術提案

コラム

 

公共工事にも求められる新たな技術提案

【コラム 1級建築士による建設アラカルト【独学1級建築士 nandskさん】

 

近年、公共工事の発注で、技術提案を求められる場合が増えています。仕様書等の発注書で指定されることもあれば、総合設計方式での入札で、技術提案が評価される事例もあります。かつての公共工事は一般競争入札が多く、安い金額で施工できる業者が受注していたため、品質や先端技術の活用は最低限のものでした。しかし、時代の変化と共に、環境面や安全面への配慮なども公共工事で求められてきています。

では、どういった技術提案が求められているのでしょうか?

 

●現場の体制は現代に沿ったものを¥に

まずは、現場の体制です。

国が進める働き方改革ですが、建設現場でも推進する動きがあり、国が発注する工事でも週休2日を原則とする現場も増えてきています。そのほかには安全面の確保として熱中症対策や騒音・振動対策などの基本的なことから、災害時の対策なども評価対象となることがあります。清掃活動なども今まで通り評価されることが多いです。

 

●環境への配慮

環境への配慮は今までよりも厳しく見られることが多いです。再生材の利用や現場でのCO2排出抑制は定番の取組で低振動・低騒音の重機の導入などは基本中の基本です。

具体の取組だけでなくイメージアップ活動や現場広告による啓発なども評価対象となることがあります。

 

●先端技術の導入

技術提案も当然評価対象で、IT技術の導入による工程管理や衛星を活用したレーダー計測、工業用ダイヤモンドの活用など様々なものがあります。

しかし、最新技術をなんでも使えば良い、という訳ではなく、現場規模に対して過剰なもの、話題性だけを狙った実用性のないものなどは税金を使い実施される公共工事では望ましくありません。総合評価方式での加点を狙うのであればしっかりと発注者の意図を汲み取り、発注者や近隣住民が求めるもの対応した技術提案や創意工夫を行うことが必要でしょう。

 

●まとめ

建設現場での技術革新は目覚ましいものがあります。AIやIoT技術の発展により、今後もどんどん新しい技術が出てくるでしょう。しかし、これらを使いこなすのは人間で、中には話題性だけの技術もあります。やたらと新技術を使うのではなく、発注者や近隣住民、現場の作業員がどういったことを求めているのか、しっかりと考えて導入する必要があるでしょう。 

 

今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

 

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