建設現場で働く女性

コラム

 

建設現場で働く女性

【コラム 1級建築士による建設アラカルト【独学1級建築士 nandskさん】

 

女性の社会進出が進み、近年は建設現場で働く女性も増えてきました。筆者の周りでも、工事現場に行くと女性作業員がいる現場が増えています。しかし、話を聞いてみると建設業界はまだまだ男社会でたいへんなことも多いようです。今回は、そんな建設業界へ働く女性について考えてみました。

 

●女性就労者の割合

国土交通省の「建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査」(https://www.mlit.go.jp/common/001114256.pdf)

によれば、建設業で働く女性の割合は13%となっています。全産業での女性就労者の割合は40%を超えていますので、これはかなり数字です。建設業界は、まだまだ男性が働く場所、というということですね。しかし、年々増えているのも事実です。

近年の社会問題の一つに建設業の担い手不足が言われるほど、建設業界は人手不足で、女性や外国人技能実習生の活躍によって業界が支えられているとも言えるでしょう。

 

●建設現場と女性

建設現場というと「きつい」「汚い」「危険」の3Kの代名詞でしたが、近年はICT技術の進歩により、3Kも変わりつつあります。危険な場所での作業はロボットが行うようになったり、以前のような力仕事も技術の発達により減ってきています。こういった女性だと不利になるような仕事が徐々に減ってきていることは、女性が建設業で働くことを後押ししてくれるでしょう。

もともと、建設現場では非常に細かい作業があったり、狭い空間での作業があったりして、そういった仕事は小柄な女性の方が得意だったりします。建築現場に組まれている足場も、足場の高さは170cm程度しかなく、ヘルメットをかぶると180cm近くになる筆者は腰を屈めて歩く必要があり、腰痛に悩まされていました。

逆に女性の活躍を妨げるものもまだまだ残っています。まずは、現場のトイレ。国土交通省の工事では45%の現場で女性用トイレの設置を義務付けるなど、女性の活躍を後押ししていますが、多くの現場では工事用の仮設トイレは一つしかなく、それもお世辞にもきれいとは言えません。男性作業員と同じトイレをみんなで使う、というのはやはり女性にとっては嫌でしょう。それから、これは建設業に限った話ではありませんが、子育てなどのライフサイクルで休みがちになることは男性よりも多いのが現状です。納期に追われる現場作業は場合によっては仕事優先となることもあり、子育て中の人には辛いこともあるでしょう

 

●これからの建設現場と女性

今後、建設現場のICT技術がさらに進歩し建設業界でも働き方改革が進めば、さらに女性が活躍しやすい環境になるでしょう。重機の自動運転やドローンによる現場確認など、危険な仕事や力仕事が減れば女性の活躍の場もどんどん増えます。業務の効率化にもつながり、育児休暇や短時間勤務なども当たり前になり、現場で活躍する女性が増えるといいと思います。

 

 

今回のコラムは【独学1級建築士 nandskさん】

独学により1級建築士に合格。住宅やアパートの設計・工事監理、特殊建築物の維持管理、公共施設の工事設計・監督の経験あり。2級、1級建築士試験受験者へのアドバイスも行っている。『建築の楽しさを多くの人に知ってもらいたい』と話す

 

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