税理士さんに聞きました!建設業を行っているのなら節税や補助金等の情報を知っておこう
建設業を行っている経営者の中には日々のコストに悩んでいる人もいるでしょう。コストを削減して会社運営をするのなら、税金対策をするのがおすすめです。無駄な支払いを少なくすれば、会社に残る金額も増えます。また、建設業を行っている方はいくつかの補助金も用意されています。ここでは、補助金から税金対策までまとめてご紹介します。
手軽にできる税金対策を知っておこう
基本的に建設関係の事業をするときには、法人と個人事業主の2通りから選択できます。個人事業主の場合は節税がしにくいため、法人化するのが良いでしょう。
手軽にできる法人の節税は消費税を減らす方法です。消費税は、外注などを行ったときに支払った金額に発生する税です。消費税は従業員に支払う給料や役員報酬などには含まれません。そのため、そのまま給料を役員や従業員に出してしまうと損をしてしまう可能性が高いです。一度、他の親方などに外注を行いましょう。外注費は経費として計上できるので、経費分の消費税を削減できます。
例えば、800万円の売り上げがあったとします。800万円から300万円を外注費として計上すれば、残った500万円に消費税がかかります。結果的に外注費の300万円分の消費税を削減できる仕組みです。ですが、給料を外注費にして計上をするときには、実態がないといけないことに注意しておきましょう。
他にも、契約書を電子媒体にするといったテクニックも活用できます。仕事を請け負うときには契約書を交わします。契約の際、必要になるのが収入印紙というものです。収入印紙は切手のような見た目をしているもので、契約書に貼り付けて使います。
請け負った仕事が100万円以上の案件だと印紙税を支払う必要があります。ちなみに印紙税は1枚につき2,000円で、請け負った仕事の数が多いほど支払う金額も増えます。例えば、100件の仕事を引き受けたなら20万円も支払う事になってしまいます。そこで紙の書類ではなく、電子媒体にしましょう。基本的に電子媒体にすれば収入印紙を支払う義務が発生しないため、コスト削減が可能です。
人材開発のための補助金がある
建設業では人手不足になってしまうこともあります。そんな人手不足に対応するために、人材開発支援補助金というものが用意されています。建設業をするためには専門的な知識が必要ですが、人材開発支援補助金は専門的なスキルを身につけるために必要となる資金を援助してくれるものです。
基本的にこちらの補助金は建設労働力者認定訓練コースと建設労働者技能実習コースがあります。建設労働者技能実習コースは雇用する労働者に対して、有給で技能を実習させた建設系の商売をしている経営者に支給されるものです。建設労働者認定訓練コースは中小の建設会社の方に支給されます。ですが、建設労働者認定訓練コースで支給される補助金は必ずもらえるものではないという点に注意しましょう。建設労働者認定訓練コースで支給される金額は1,000万円を条件としています。
ちなみに、建設労働者技能実習コースは経費として認定された金額の5分の4まで支給されるシステムです。
人材確保等支援助成金というものもある
人材確保等支援補助金は多くの経営者が利用できる補助金です。種類がいくつか用意されており、用途に応じて選ぶことができます。雇用管理制度助成コースは資格手当を増額するときなどに活用できるものです。また、若い人たちの雇用を目的とした若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースといった特殊なものもあります。
建設業を行っている方の中には従業員用の宿舎をつくりたい人もいるでしょう。作業員宿舎等設置助成コースは宿舎の整備や設置などに使用する事ができる助成金です。人材確保等支援助成金は最大で108万円まで支給されます。若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースは条件にもよりますが、200万円まで貰うことが可能です。
人材確保等支援助成金は申請をする必要があります。申請をするときには共通の書類が3つ必要になるので注意しておきましょう。どのような書類が必要なのかというと、まず雇用管理制度整備計画書と事業所確認票を提出します。3枚目の書類は制度導入・適用計画書が必要です。制度ごとに必要な書類があるので、確認しておくと良いでしょう。
節税と補助金を使用して事業を楽に運営しよう
建設業を行っている方は、書類の電子化をして印紙税を削減すると良いでしょう。また、給料を外注費として計上して経費にすることで消費税を削減する方法も使えます。ただし、外注費として計上をするときには実態のある案件として外注をする必要があります。人材確保用の助成金はまとまった金額がもらえるものが多いので、うまく使ってみると良いでしょう。
(寄稿者:税理士)