【2025年最新】土木施工管理技士の合格がグッと近づく!経験記述の書き方【入門】
【この記事を執筆したのは…】
佐藤拓真さん
元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|ブロガー兼Webライター|SNS総フォロワー2.3万名|出版書籍「仕組み図解 土木工事が一番わかる」
今回は、土木施工管理技術検定において一番の鬼門とされる第二次検定の「経験記述問題」について解説します。
以下の内容に1つでも知らない項目があった方は、ぜひこの記事を最後まで読んで、試験対策の知識を令和7年度最新の情報にアップグレードしてください。
- 経験記述の問題が令和6年度から変わった
- 「です」「ます」調で書かない
- 安全管理や品質管理に関する内容を考えているだけでは不十分
- 事前に自分で作成した作文を用意するだけではNG
なお、経験記述に関する基本的な情報は、[土木施工管理技士試験における経験記述講座【完全攻略】]の記事で詳しく解説しています。「第二次検定に今年こそは合格したい!」と考えている方は、この記事もあわせてご確認ください。
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経験記述とは

土木施工管理技術検定の第二次検定では、これまでに自分が取り組んできた施工管理の経験について、記述式で解答する問題が出題されます。
この問題は「経験記述問題」と呼ばれ、試験の中でも特に重要な位置づけとされています。
経験記述では、これまでに携わった工事で直面した課題について、どのように検討し、どのような処置を講じたのか、そしてその結果と評価を論理的かつ具体的にまとめることが求められます。
経験記述の問題が重要な理由
経験記述は、土木施工管理技士の第二次検定で最も重要な問題のひとつであり、まさに“鬼門”です。その理由は、この問題でふるいにかけられるからです。

経験記述の出来栄えが良くないと、それ以外の問題は採点対象になりません。
実際に、試験問題にも以下のように記載されています。
だからこそ、第二次検定でもっとも力を入れるべき問題といえるでしょう。
令和6年度から変更になった点

令和6年度から「土木施工管理技術検定・第二次検定」において、1問目の出題形式が大きく変わりました。
変更点としては、大きく2点です。
- 問題数が1問から2問になった
- 解答する文字数が変わった
これらの変更は、1級・2級ともに共通の傾向として行われました。
経験記述の変更点①解答する問題数が増えた
まず、以前の試験では「1つのテーマに対して記述する形式」でしたが、令和6年度からは「2つのテーマに対して、それぞれ記述する形式」になりました。
たとえば、令和6年度の1級では次のような問題が出されました。
- 設問1:工事における「安全管理上の課題」について記述
- 設問2:同じ工事について、「施工計画の作成」に関する経験を記述
☆問題(令和6年度1級)
【出典】令和6年度1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題
同じ工事を題材にして、「安全管理」と「施工計画」という2つの異なる観点から記述する問題になりました。
同じく、令和6年度2級の第二次検定でも、経験記述が2問になっています。
2級の出題は次のような内容でした。
- 設問1:実際に経験した工事における「品質管理」について記述
- 設問2:同じ工事における「工程管理」に関する経験を記述
ここで注目すべきは「工程管理上の課題」が工事の着手前にわかったことでも、工事中に発生したことでも、どちらでもよいとされている点です。

1級では“事前調査で分かったこと”に限定されていました。
☆問題(令和6年度2級)
【出典】令和6年度2級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題(種別:土木)
なお、令和5年度以前の問題は、以下のとおりです。
☆問題(令和5年度1級)
【出典】令和5年度1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題
☆問題(令和5年度2級)
【出典】令和5年度2級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題
このように、1級は与えられた1つのテーマに対して解答し、2級は2つのテーマから1つを選んで解答する問題でした。
経験記述の変更点②記述量に変化があった
令和6年度の問題は、令和5年度までと比べて、1つの設問に対して記載できる文字数が減りました。
令和5年度までの問題および解答用紙は
(1)具体的な現場状況と技術的な課題
(2)課題を解決するための検討項目と理由
(3)検討の結果、実施した対応処置とその評価
となっていましたが、令和6年度は
【設問1】
(1)具体的な現場状況と特に留意した品質管理上の技術的課題
(2)(1)で記述した技術的課題を解決するために検討した項目とその対応処置
【設問2】
(1)施工条件や現場周辺の状況の観点から、工程管理上、留意した事項(工事着手前、工事中のいずれでも可)
(2)(1)で記述した留意事項に対して講じた対策とその理由
となりました(※上記は2級の例ですが、1級の問題も同様の傾向でした)。
令和5年度以前の記述量は、以下の表のような形でした。
設問 | 解答用紙の行数 |
(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題 | 8行程度 |
(2)検討した項目と検討理由および検討内容 | 11行程度 |
(3)現場で実施した対応処置とその評価 | 7行程度 |
※年度により解答用紙の行数は異なる場合があります
しかし、令和6年度は解答用紙の行数がそれぞれ8行になりました。
解答する問題が増えたことにより、1つのテーマについて記載できる文字数が減っています。
文章量の削減≠難易度の低下
文章量が減ったからといって、難易度が下がったわけではありません。

少ない文章量で事実を正確に伝える必要があるため、むしろこれまで以上に事前の準備が大事になりました。
経験記述対策3STEP【具体例】

経験記述対策は事前準備が9割です。事前の準備なく試験に臨むことは避けましょう。
その理由としては、試験当日に文章を考えて書いて合格できるような試験ではないからです。
実際に、私の周りで事前の準備をせずに合格できた人は、1人として見たことがありません。
合格するための試験対策は、以下の3つの手順を踏みましょう。
- ①解答の例文を読む
- ②実際に書いてみる
- ③添削を受ける

経験記述の対策①例文を読む
まずは、自分が経験した工事について、どのような文章を書けば良いかを把握するために、合格レベルの例文を読むことから始めましょう。その理由は、例文を読むことで「合格に求められるレベル」が具体的にイメージできるようになるからです。

「この程度まで書けば合格ラインに達するのか」といった基準が明確になれば、自信にもつながります。
おすすめの参考資料として、以下の記事では令和7年度対応の例文を3種類紹介し、それぞれの構成やポイントを詳しく解説しています。経験記述の例文は、[【例文3種類】経験記述の作文を令和7年度最新版で徹底解説【1級土木施工管理技士】]の記事をぜひ参考にしてください。
経験記述の対策②書いてみる
合格基準のイメージがつかめたら、次は実際に自分の経験をもとに作文を書いてみましょう。
合格レベルの文章を事前に読んでから取り組むことで、「どんな内容を、どのような流れで書けばよいか」が明確になっているはずです。
とはいえ、「いざ書き出そうとすると手が止まってしまう…」という方も多いでしょう。
そんなときに効果的なのが、このあと紹介する「逆算テンプレート法」です。
試験問題と同じように課題から書き始めようとせず、書きやすい行動や成果からさかのぼって、全体の構成を考える方法になります。
経験記述の対策③添削を受ける
作文を書いたら、必ず第三者による添削を受けましょう。
添削は、合格レベルの文章に仕上げるために欠かせない工程です。
なぜなら、試験で合否を判断するのは自分ではなく「採点者」という第三者だからです。

自分では「うまく書けた」と思っていても、読み手には伝わっていないケースは少なくありません。
そのため、第三者の視点から「伝わっているか」「構成に漏れがないか」「評価に値するか」を確認してもらうことで、文章の完成度を高めることができます。
「自分の考えが相手にきちんと伝わる形で表現できているか?」
それをチェックする意味でも、添削は必ず取り入れるようにしましょう。
経験記述の書き方【テンプレートあり】

経験記述では、日々、現場で施工管理を行ってきた実績を採点者に伝えられるかどうかが重要なポイントです。

採点者に「この受検者には、しっかりとした施工管理の経験がある」と思ってもらえるような作文を書きましょう。
経験記述の基本的な構成をお伝えします。
経験記述の構成
経験記述を書くにあたって、まずは次のような基本的な構成を意識しましょう。
【経験記述の基本構成】
○○の課題に対して、△△の対応処置を行った。その結果、□□という成果が得られた。
このように、経験記述では『課題 → 対応処置 → 評価(成果)』という一貫した流れをもって記述することが、合格基準を満たすために非常に重要です。
なぜなら、採点者はこの流れに沿って、受検者が実際に施工管理を行った経験とその判断力・対応力を評価するからです。
以下に、具体的な記述例を示します。
【例1】
近隣への騒音が懸念されたため、作業時間の調整と防音パネルの設置を実施した。その結果、作業中の騒音トラブルはなく、地域住民からの苦情は一件もなかった。
【例2】
冬季のコンクリート打設であり、初期凍害が懸念されたため、コンクリートの配合についてセメントの種類をBBから普通に変え、練り混ぜ水を温水にした。さらに、ジェットヒーターを用いた給熱養生を実施した。その結果、初期凍害はなく、28日のコンクリート強度24N/mm2のコンクリートを構築できた。
この例のように、自分が携わった工事現場の内容を『課題 → 対応処置 → 評価』の流れで整理し、論理的に記述することが求められます。
まずはこの基本構成を作成し、そのうえで文章を肉付けしていくことで、試験に対応できる答案を仕上げていきましょう。
なお、経験記述問題では「です」「ます」調の表現を使わず、語尾を「だ」「である」で統一するのが一般的です。
【マル秘】逆算テンプレート法

では、実際にどのように経験記述の準備を進めるのがいいのか。
私がおすすめするのが、「逆算テンプレート法」です。
これは、
「設問で問われる現場状況や課題」から考えるのではなく、“対応策”や“評価”から逆算して書く方法です。
逆算テンプレート法が効果的な理由
経験記述の準備を進めるうえで、多くの人がつまずくポイントが「何を書けばよいのか分からず、手が止まってしまうこと」ではないでしょうか。

実際、私自身も試験勉強をしていたころ、まさに同じ悩みを抱えていました。
参考書を開いて机には向かうものの、「自分が経験した工事の課題って何だったっけ…」と考え込んでしまい、なかなか書き始めることができませんでした。
このように、経験記述を“課題”から書き始めようとすると、どうしても思考が止まりがちになります。
これは、過去の出来事の中から「問題だった部分」だけを思い出すのが意外と難しいためです。
そこで私が推奨するのが、「逆算テンプレート法」と呼ばれる書き方です。
この方法では“課題”から考えるのではなく、「自分が現場で実際に行った“対応策”」から考え始めます。
というのも、多くの人にとっては、現場での具体的な対応や工夫、成果などの方が記憶に残っていて、思い出しやすいからです。
まずは「自分が実際にやったこと」や「その結果として得られた成果」を書き出します。
そのうえで、「なぜ自分はそのような対応をとったのか?」と振り返ってみると、自然とその背景にあった“課題”が見えてきます。
この考え方をどのように実践していくのか、具体的な実例とともにご紹介していきます。
逆算テンプレート法①評価
自分が経験した現場に対して、まずはこの“評価”から考えてみましょう。
“評価”とは、施工中に行った対応処置の結果がどうだったかを客観的に振り返る部分です。
「対策した結果、工事がどのように良くなったのか」「改善された具体的な成果は何だったのか」を記述します。
【例】
- 工事期間中は無事故・無災害で施工を完了することができた
- 締固め度93%を満たすことができ、その他、発注者の品質基準値を満たし、検査に合格できた
- 当初工程より3日早く工事を完了し、後工程への影響も回避できた
数値を入れると説得力が増す
記述する文章に対して、数字を用いて解説することで具体性が増します。具体的であるほど、施工管理の実績として明確になるので、信頼性がある文章になります。
例:「工期を○日短縮できた」「無事故でしゅん工」「苦情が0」「ひび割れのないコンクリート」

数字を用いて解説することができる場合は、できる限り数字を入れましょう。
逆算テンプレート法②対応処置
経験記述における“対応処置”とは、現場で直面した課題や問題に対して、どのような対応・工夫・管理を行ったかを具体的に記述する部分です。
先ほどの評価に従い、実際にやったことを記述します。

実際にやったことは記憶に残るので対応策も思い出しやすいと思います。
【例】
- 交通量の多い7時から8時30分と、17時以降のダンプトラックの運行を取りやめた
- 0.7m3 級のバックホウにスケルトンバケットを装着し、骨材のふるいわけを行った。そして、オーバーサイズの岩ズリは破砕機で破砕し、最大粒径40mmの盛土材料とした
- ネットワーク式工程表を作成し、クリティカルパスとなる作業について、遅れが生じないように重点的に管理した
このような例を参考に自分が経験したことを記述してみてください。
逆算テンプレート法③課題
“課題”とは、工事で直面した問題や注意点、施工で工夫が必要だったことを指します。
ただのトラブルを示すのではなく、「どんな対応をしたか」を説明するうえでの“出発点”です。
課題を適切に設定することで、その後の対応の妥当性や有効性が自然と伝わるようになります。
さらに、課題の記述は、受検者が実際の現場をどれだけ深く理解しているかを示す重要な判断材料にもなります。
採点者にとって課題の内容は「この人は本当に施工管理を経験してきたのか」「現場の実情を適切に把握していたか」を見極める重要な要素です。
【例】
- 施工時期が雨季
- 湧水量が多い
- 日平均気温が25度を超える夏季の施工
- 日平均気温が4度以下の寒中施工
- 気象条件(台風や大雨、大雪)により作業の遅れが発生
- 地元との協議により作業時間に制約が生じる
“課題”には対応処置を行なった原因をあげること
経験記述の文章全体に矛盾が生じていては、減点の対象となってしまいます。
『課題 → 対応 → 評価』が一貫した流れになっているかどうか確認しましょう。
まとめ
今回の記事では、令和7年度最新の経験記述を中心に解説しました。
- 経験記述の対策は「例文を読む→書いてみる→添削を受ける」でOK!
- 「課題→対応処置→評価」といった作文の流れに矛盾がないように
- 逆算式に「評価→対応処置→課題」の順で考えると一貫性のある作文にできる
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回解説した対策をしっかりと理解して、完璧な本物の実力を身に付けてください。
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著者:佐藤拓真

著者:佐藤拓真