土木施工管理技士講座 第3回「土木施工管理技士の試験直前に覚えておくべきこと100選【今からでも間に合う】」

ナレッジ/ノウハウ

どうもWebライターの佐藤拓真です。

今回は1級土木施工管理技士の第一次検定が直前に迫っているということで、直前に覚えておくべきことを100個厳選しました。

忙しい施工管理の方がスキマ時間でサクッと読めて、「試験の点数が上がる」ような内容になっています。
※1万字を超えるボリュームなので、ブックマークしておいてスキマ時間に少しずつ読んでもらうことを想定しています。

ちなみに、土木施工管理技士試験における「専門土木」については、個人の経験によって取り組むべき問題が異なるので、今回の記事で取り上げるのは、出題傾向が明確で対策しやすいコンクリートの項目の一部のみとしました。

なお、「施工管理法(応用能力)」についても、第2回のコラムでじっくりと解説しているので、今回は省略しています。

その分、 試験に出るところだけにギュギュッと絞りました。
ぜひこれを最後まで読んで、同期より頭一つ抜け出しましょう。

【著者紹介】
元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|ブロガー兼Webライター|SNS総フォロワー2.3万名|出版書籍「仕組み図解 土木工事が一番わかる」
目次

実際の1級土木施工管理技士の試験問題に合わせて順番に解説していきます。

試験の全体像① 午前の部

まずは、第一次検定の全体像について解説します。

第一次検定における午前の部は、以下の3部構成です。

【午前の部】
・土木一般
・専門土木
・土木法規

試験時間 2時間30分で出題数61問のうち30問に回答します。

※令和6年度の2級土木施工管理技士の試験では、必須問題として土木工学の基礎知識が5問追加され、全66問でした。1級も同様に追加される可能性が高いです。

土木一般から順番に解説していきます。

土木一般

土木一般の問題は、「土工」「コンクリート工」「基礎工」です。
土工5問、コンクリート工6問が出題されるので、学習の方針として「土工とコンクリート工は必須問題だ」くらいの感覚で勉強していきましょう。

土質試験

【1】土質試験

試験名 試験結果から得られるもの 試験結果の利用
単位体積質量試験
砂置換法
RI計器による密度試験
湿潤密度
乾燥密度
土の締固め管理
標準貫入試験 N値 土の締固め管理
圧密試験 沈下量と沈下時間の推定
ポータブルコーン貫入試験 コーン指数 トラフィカビリティー
平板載荷試験 地盤反力定数 許容支持力の推定
現場CBR試験 CBR値 舗装厚さの設計
一軸圧縮試験 一軸圧縮強度
(非排水せん断強さ)
地盤の土圧
斜面安定等の強度定数
粒度試験 粒径加積曲線

土質試験は必ず出題されます。
「試験名」と「試験結果から得られるもの」、そして「その試験結果をどうやって利用するのか」を頭に入れましょう。

法面保護工

【2】
ブロック積擁壁工は、胴込めコンクリートを設ける練積みが原則。「建築基準法施行令」で、「高さが2メートルを超える石積みは、練積み」と規定されている。
※空積み…胴込め、裏込めにコンクリートやモルタルを使わずに、割栗石や砂利を用いて石を積み上げる方法

【3】
モルタル吹付工事は、モルタルの吹付前に、菱形金網を設置して施工する。

【4】
植生マット工は法面の凹凸が大きいと設置しにくいので、あらかじめ凹凸を均しておく。

建設発生土

【5】
自然由来の重金属などが基準を超えて溶出する発生土は、盛土として使用できない。

【6】
第1種建設発生土は、砂、礫など。最も安定している。盛土材としての使用OK。

【7】
第2種建設発生土は、砂質土、礫質土など。比較的安定。盛土材としての使用OK。コーン指数 800kN 以上。

【8】
第3種建設発生土は、通常に施工できる粘性土、砂質土、火山灰質粘性土。盛土に使用できる場合が多い。コーン指数は400kN以上。

【9】
第4種建設発生土は、砂質土、粘性土、火山灰粘性土、有機質土。そのままでは盛土に使用できない。

盛土の情報化施工

【10】
TS・GNSSを用いた盛土の情報化施工は工法規定方式で採用する技術で、締固め状況の早期把握による工期短縮を図ることができる。

【11】
TS・GNSSを用いた盛土の情報化施工は同じ材料で同じ含水比、試験施工で決定したまき出し厚、締固め回数で締固めた場合は、現場密度試験の実施が不要。

軟弱地盤対策

【12】軟弱地盤対策

工法 工法の種類 効果
表層処理工法 表層排水工法
サンドマット工法
表層混合処理工法
強度低下の抑制
すべり抵抗の増加
緩速載荷方法 漸増盛土載荷工法
段階盛土載荷工法
沈下量の減少
せん断強度の増加
押え盛土工法 押え盛土工法
緩斜面工法
すべり抵抗の増加
置換工法 掘削置換工法
強制置換工法
すべり抵抗の増加
せん断強度の増加
荷重軽減工法 計量盛土工法 沈下量の減少
載荷重工法 盛土載荷重工法
地下水位低下工法
圧密沈下の促進
バーチカルドレーン工法 サンドドレーン工法
ペーパードレーン工法
圧密沈下の促進
締固め工法 バイブロフローテーション工法
サンドコンパクションパイル工法
ロッドコンパクション工法
沈下量の減少
液状化の防止
団結工法 石灰パイル工法
深層混合処理工法
薬液注入工法
沈下量の減少
すべり抵抗の増加

【13】サンドマット工法
軟弱地盤の表面に、透水性の薄い砂や砂礫を0.5~1.2mの厚さに敷き均すことで、軟弱層の圧密のための上部排水を促進させ、施工機械のトラフィカビリティーを確保する工法。

【14】表層混合処理工法
軟弱地盤における表層部分の土とセメント系や石灰系などの添加材を撹拌混合することで、地盤の強度を増加し、安定性の増大や変形抑制及び施工機械のトラフィカビリティーを確保する工法。

【15】サンドドレーン工法
軟弱地盤において、透水性の高い砂を用いて砂柱を地盤中へ鉛直に造成、水平方向の排水距離を短くして圧密を促進し、地盤の強度を増加させる工法。

【16】サンドコンパクションパイル工法
地盤内に鋼管を貫入して管内に砂などを投入し、振動機による振動により締固めた砂杭を地中に造成することで支持力の増加や液状化の防止を図る工法。

【17】ロッドコンパクションパイル工法
棒状の振動機に上下振動を与えながら地中に貫入し、締固めながら引き抜くことで地盤を締固める工法。

【18】深層混合処理工法
軟弱土とセメント系の固化材を原位置で撹拌混合する工法。地中に強固な柱状の安定処理土を形成する。その結果、すべり抵抗の増加、沈下軽減、液状化の防止を図ることができる。

【19】薬液注入工法
地盤中に水ガラスを主体とする薬液を注入することで、土の間隙に薬液が浸透し、土粒子の結合で透水性の現象、現地盤の強度増大を図ることができる工法。

コンクリートの骨材

【20】
再生骨材は品質によってH(高品質)、M(中品質)、L(低品質)に分類される。
Lは捨てコン。Mは杭、基礎など、乾燥収縮や凍結融解の影響を受けない部分。Hは通常の骨材とほぼ同様の品質を有しており、レディーミクストコンクリート用として利用可能。吸水率は3.0%以下。

【21】
砕石を用いた場合、砂利に比べて単位水量を大きくする必要がある。

【22】
凍結融解の繰り返しに対する骨材品質の適否は、硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験法で行う。

【23】
砕砂に含まれる微粒分の石粉は、材料分離を抑える効果があるため、3~5%混入していることが望ましい。

セメントの種類

【24】普通ポルトランドセメント
一般的なセメントで、幅広い工事で使用されており、小規模工事や左官用のモルタルとしても使用される。

【25】早強ポルトランドセメント
セメント粒子の細かさを示す比表面積が普通ポルトランドセメントに比べて大きく、早期に高い強度が得られるセメント。初期強度を要するプレストレストコンクリート工事などに用いられる。

【26】中庸熱ポルトランドセメント
水和熱の発生が少なくなるように作られたセメント。初期強度は小さいが、長期強度は大きい。水和熱の抑制を抑えるためにダムなどの工事に用いられる。

【27】高炉セメント
製鉄所から出る高炉スラグの微粉末を混合したセメント。特に海岸などの塩分が飛来する環境下で使用する。高炉スラグの混合度に応じて、A種(5%超 30%以下)、B種(30%超 60%以下)、C種(60%超 70%以下)に分類される。アルカリシリカ反応やCl-イオンの抑制に有効なセメント。

【28】エコセメント
都市ごみ焼却灰を主として製造されるセメント。Cl-イオン量はセメント質量の0.1%以下であり、鉄筋コンクリートに使用可能。

【29】
公共工事では、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種が用いられ、全セメントの90%を占めている。

コンクリートの混和材

【30】フライアッシュ
石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰。ポゾラン活性により3つの効果が得られる。
①ワーカビリティーの改善により、単位水量を減らす。
②長期強度が増進する。
③水和熱による温度の上昇を抑える。

【31】シリカヒューム
シリコンメタルを電気炉で製造する際に副産物として生成される粒子。材料分離が生じにくくなり、水密性や化学抵抗性が向上する。一方で、単位水量が増加し乾燥収縮の増加につながるため、減水剤との併用が必要。

【32】膨張材
収縮に伴うひび割れの発生抑制を目的に使用する混和材。コンクリート1m3に対して20~30kg程度使用する。アルカリシリカ反応の抑制効果はない。

【33】高炉スラグ
高炉で副産物として生成される粉末。石膏などの刺激剤の存在下で水和・硬化する潜在水硬性により水密性を高めることで、Cl-イオンのコンクリート中への浸透抑制に効果がある。アルカリシリカ反応の抑制や長期強度の抑制にも効果がある。

コンクリートの打ち込み・締固め・養生

【34】コンクリートの運搬
コンクリートの練り混ぜから打ち終わるまでの時間は、外気温が25℃を超えるときは1.5時間。25℃以下の時は2.0時間以内。なお、許容打ち重ね時間は、これに30分を追加で加えた時間。

【35】コンクリートポンプの施工
コンクリートをポンプ打設する際には、圧送に先立ち、使用するコンクリートの水セメント比以下の先送りモルタルを先に圧送する。このとき、型枠内に先送りモルタルを打ち込んではならない。

【36】シュートの施工
原則、縦シュートを使用する。斜めシュートを用いる場合は、材料分離を防ぐために、横2縦1の割合を角度の最大値とし、それ以上寝かせてはならない。

【37】型枠内の横移動の禁止
型枠内に打ち込んだコンクリートは、材料分離を防ぐため、棒状のバイブレータを用いて横移動させてはならない。

【38】振動機の使用
振動機は50cm以下の間隔で鉛直に差し込み、5~10秒振動させる。引き抜く際には跡が残らないようにゆっくりと引き抜く。2層以上に分ける場合は、下層のコンクリートに10cm程度差し込む。

暑中コンクリート

【39】
暑中コンクリートでは、コールドジョイント発生防止のため、減水剤、AE減水剤及び中温化剤について遅延形のものを用いる。

【40】
打ち込み時のコンクリートの上限は、35℃以下を標準とする。

【41】
練り混ぜ開始から打ち終わるまでの時間は、1.5時間以内。

専門土木

専門土木の問題は、34問中10問に回答します。

学習の方針としては「自分が経験した工種」に特化してまずは勉強しましょう。
それでも回答数が不足する場合は、コンクリートの項目がおすすめです。

なぜなら、コンクリート工2問は出題される傾向が明確なので、対策がしやすいから。
「劣化」と「補修」の両方ともそれほど難しくない問題が2問出題されています。

そのため、今回はコンクリート工の頻出問題に絞って解説します。

コンクリート構造物の劣化・ひび割れ

【42】塩害
コンクリート中に存在するCl-イオンの作用により鋼材が腐食し、コンクリート構造物に損傷を与える劣化現象。

【43】アルカリシリカ反応
骨材中の反応性シリカ分と、セメントに含まれるアルカリ分が反応し、骨材が膨張することでひび割れが発生する劣化現象。亀甲状のひび割れが生じる。対策としては、コンクリート中に含まれるアルカリ総量を酸化ナトリウム換算で3.0kg/m3以下、または骨材のアルカリシリカ反応性試験で区分A「無害」と判断された骨材を用いる。

【44】凍害
コンクリート中に含まれる水分が凍結し、膨張することによって生じた水圧によりコンクリートが破壊されることでひび割れが生じる現象。

【45】中性化
フェノールフタレイン溶液を噴霧し、発色が認められない範囲が中性化範囲。中性化は、乾燥湿潤が繰り返される場合に比べて常時乾燥している場合の方が、中性化速度が速い。

【46】
中性化と水の浸透に伴う鉄筋の腐食は、乾燥湿潤が繰り返される場合に比べて常時耐水している場合の方が、腐食速度が遅い。

土木法規

土木法規の問題は、「労働基準法」「労働安全衛生法」「建設業法」「火薬取締法」「道路関係法」「河川法」「建築基準法」「騒音・振動規制法」「港則法」と多岐にわたります。
その中で全12問が出題され、回答数は8問です。

今回は、頻出問題であることに加えて、資格を取得してからも知らないと恥ずかしい項目である「労働安全衛生法」「建設業法」「騒音・振動規制法」を解説します。

作業主任者

【47】
一覧表を覚えましょう。

名称 作業内容
高圧室 高圧室内作業
ガス溶接 アセチレンなどを用いて行う金属の溶接・溶断・加熱作業
コンクリート破砕器 コンクリート破砕器を用いて行う破砕作業
地山の掘削 掘削面の高さが2m以上となる地山掘削
土止め支保工 土止め支保工を使う場合(高さに関係なく必要)
型枠支保工 型枠支保工の組立・解体
足場の組立等 吊り足場・張出し足場または高さ5m以上の足場
酸素欠乏 酸素欠乏・硫化水素危険場所
ずい道等の掘削等 ずい道等の掘削等
ずい道等の覆工 ずい道等の覆工
コンクリート造の工作物の解体 高さ5m以上のコンクリート造の構造物の解体または破壊
コンクリート鋼架設等 上部構造の高さが5m以上、または支間が30m以上のコンクリート造の橋梁の架設・解体または変更
鋼橋架設 上部構造の高さが5m以上、または支間が30m以上の金属製の部材により構成される橋梁の架設・解体または変更

※高圧室及びガス溶接は免許を受けた者

元請負人の義務

【48】
元請負人が出来形払いに対する支払いを受けたとき、施工した請負人に対して支払いを受けてから1カ月以内、かつできる限り短い期間に下請負代金の一部を支払う。

【49】
下請負人から工事完了の通知を受けた際には、20日以内かつできるだけ短い期間内に、完成を確認する検査を完了させなければならない。

技術者制度

【50】
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、施工計画の作成、工程管理、品質管理等、現場の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督を行わなければならない。

【51】
発注者から直接工事を請け負った特定建設業者は、下請負契約の請負金額が4500万円以上の場合、監理技術者を置かなければならない。

試験の全体像② 午後の部

次に午後の部について解説します。
試験の時間は2時間で、出題数35問に対して全問解答します。

午後の部は以下の問題で構成されます。
・共通工学
・施工管理法(基礎知識)
・施工管理法(応用能力)

内訳は共通工学4問、施工管理法(基礎知識)が16問で、施工管理法(応用能力)が15問です。

今回の記事では、共通工学と施工管理法(基礎知識)について解説します。

共通工学

共通工学は4問出題され、主に出題されるのは「測量」「公共工事請負契約約款」「配筋図」「機械・電気」です。
今回の記事では、配筋図以外の問題について解説します。

TS(トータルステーション)を用いた測量

【52】
距離測定は、測定開始直前または直後に、気温及び気圧の測定を行う。
鉛直角の観測は、1視準1読定、望遠鏡の測定及び反の観測を1対回とする。

【53】
水平角観測において、対回内の観測方向数は5方向以下とする。

公共工事標準請負約款

【54】現場代理人
受注者は、現場代理人を工事現場に常駐させなければならない。しかし、工事現場の運営に支障がなく、かつ発注者との連絡体制が確保されると発注者が認めれば、工事現場への常駐を必要としないとすることができる。

【55】
工事目的物の引き渡し前に、天災等で発注者と受注者のいずれの責に帰すことができないものにより、工事目的物等に損害が生じたときには、受注者は、損害による費用の負担を発注者に請求することができる。

【56】
発注者は受注者から損害による費用負担の請求があったときは、当該損害の額及び当該損害の後片付けに要する費用の額の合計額のうち、請負代金額の100分の1を超える額を負担しなければならない。

【57】
工期を変更する場合、受発注者で協議して定めるが、期日までに整わない場合、発注者が定めて受注者に通知する。

【58】
現場代理人は常駐しなければならないが、「現場の運営に支障がない」「発注者との連絡体制が確保される」ことを発注者が認めた場合、常駐を必要としない。

機械・電気

【59】ディーゼルエンジン
一般に、負荷に対する即応性、燃料消費率、耐久性及び保全性などが良好であるため、建設機械ではディーゼルエンジンの使用がほとんど。
排出ガス中に大量の酸素を含み、かつ、すすや硫黄酸化物を含むことから、後処理装置(触媒)によって排出ガスの各成分を取り除くことは難しい。

【60】ガソリンエンジン
ガソリンエンジンは、エンジン制御システムの改良に加えて、排出ガスを触媒(三元触媒)に通すことで、NOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)をほぼ100%近く取り除くことができる。

【61】
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは、エンジンに供給された燃料の持つエネルギーのうち、正味仕事として取り出せるエネルギーは、ガソリンエンジンの方が小さい。

【62】電流・電圧の種別

直流 交流
低圧 750V以下 600V以下
高圧 750Vを超えて7000V未満 600Vを超えて7000V未満
特別高圧 7000Vを超えるもの 7000Vを超えるもの

小規模工事現場などで、契約電力が電灯、動力を含め50kW未満のものについては、低圧電気の供給を受ける。

【63】
工事現場における電気設備の容量は、月別の電気設備の電力合計を求め、このうち最大となる負荷設備容量に対して受電容量不足をきたさないように決定する。

【64】
工事現場に設置する変電設備の位置は、一般にできるだけ負荷の中心から近い位置を選定する。

【65】
水中ポンプやバイブレータなどの可搬式の電動機械器具を使用する場合は、感電防止のため感電防止用漏電しゃ断装置を取り付ける。

【66】
仮設の配線を車両等が通過する通路面に横断させて使用してはならない。ただし、その配線の上を車両等が通過することによる絶縁被覆の損傷の恐れがない状態で使用するときには、この限りではない。

施工管理法(基礎知識)

施工管理法(基礎知識)の出題数は16問で、全問回答が必要になります。

工程管理

【67】ネットワーク式工程表
1つの作業の遅れや変化が工事全体の工期にどのように影響するのか早く正確に知ることができる工程表。クリティカルパスを把握できる唯一の工程表である。
以下の図におけるクリティカルパスはC→E→Iで、工事に係る日数は30日。

【68】
クリティカルパスとは工事開始から終了まで各作業のルートで最も長い日数を要する経路のこと。

足場の組立

建設業において、死傷者数が一番多い災害は、墜落・転落です。
高さ2m以上の作業は高所作業となり、悪天候時の作業の中止など様々な規定があります。

【69】作業床の設置
高さが2m以上の箇所で作業を行う場合において、墜落により労働者に危険を及ぼす恐れのあるときは、事業者は足場を設けなければならない。

【70】
高さ2m以上の作業床の端部、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼす恐れのある箇所には、墜落防止対策として高さ85cm以上の手すり、高さ35cm以上50cm以下の中桟等を設けなければならない。

【71】
高さ2m以上の作業床で、作業のため物体が落下し労働者に危険を及ぼす恐れのあるときは、原則、高さ10cm以上の巾木、メッシュシート、もしくは防網を設けなければならない。

【72】
高さ2m以上の作業床は、足場の構造及び材料に応じて最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはならない。

【73】
高さ2m以上の作業床は、幅が40cm以上で、床材間の隙間は吊り足場以外では3cm以下とし、床材と建地との隙間12cm未満としなければならない。

明かり掘削

【74】明かり掘削
明かり掘削とは、ダムの基礎掘削、地山の切土掘削、管工事の布掘りなどの明かりで行う掘削をいう。掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削作業の場合、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技術者講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければならない。

【75】地山の掘削作業主任者
掘削面の高さが2m以上の場合、地山の掘削作業主任者の職務としては、「作業の方法を決定」「作業を直接指揮する」「器具及び保護具の点検をし、不良品を取り除く」ことが行われる。

【76】掘削作業箇所の点検
浮石や湧水の有無の確認は、事業者に指名された点検者(作業主任者とは限らない)が行い、危険箇所には立ち入り禁止の措置を講じる。

【77】地山の点検
作業の開始前、大雨の後、中震(震度4)以上の地震の後に、浮石及び亀裂の有無・状態、含水・湧水・凍結の状態の変化を点検させなければならない。

【78】
明かり掘削の作業を行う場所については、当該作業を安全に行うために必要な照度を保持しなければならない。

【79】
運搬機械、掘削機械、積込機械については、運行の経路、これらの機械の土石の積みおろし場所への出入りの方法を定め、関係労働者に周知しなければならない。

【80】
地山の崩壊または土石の落下により労働者に危険を及ぼす恐れのあるときは、あらかじめ土止め支保工を設け、防護網を張り、労働者の立ち入り禁止措置を講じなければならない。

【81】土止め支保工の組立
土止め支保工の組立には、矢板・くい・背板・腹起し・切梁などの部材の配置寸法・材質ならびに取り付けの時期及び順序が示された組立図をあらかじめ作成し、それによって組み立てなければならない。また圧縮材の継手は、突合せ継手とする。

異常時の安全対策

【82】
警報及び注意報が解除された場合も、工事現場の地盤のゆるみ、崩壊、陥没等の危険がないか入念に点検を行ってから作業を再開すること。

【83】
洪水が予想される場合は各種救命用具(救命浮器、救命胴衣、救命浮輪、ロープ)などを救急の使用に際して即応できるように準備しておく。

【84】
異常気象等の情報の収集にあたっては、事務所、現場詰所及び作業場所間の連絡伝達のため、複数の手段を確保し、瞬時に連絡できるようにすること。

【85】
現場における伝達手段は、現場条件に応じて、無線機、トランシーバー、拡声器、サイレンなどを設け、緊急時に使用できるよう常に点検整備をしておく。

【86】労働安全衛生法上、悪天候等の定義
・10分間の平均風速で毎秒10m以上の強風
・1回の降雨量が50mm以上の大雨
・1回の降雪量が25cm以上の大雪
・震度階級4(中震)以上の地震

レディーミクストコンクリートの受入検査

【87】
スランプ試験はコンクリートのコンシステンシーを測定する試験。

【88】
スランプ試験の試験方法は、高さ30cmのスランプコーンにコンクリートをほぼ等しい量の3層に詰めて、各層25回ずつ一様に突き、スランプコーンを3秒かけて引く。

【89】
スランプの許容値は以下の表のとおり。

スランプ値 許容値
2.5 ±1cm
5及び6.5 ±1.5cm
8以上18以下 ±2.5cm
21以下 ±1.5cm

【90】
コンクリートの強度試験は、指定した1回の呼び強度の強度値の85%以上でなければならない。

【91】
塩化物イオン(Cl-)量は0.3kg/m3以下。

【92】
コンクリート中に含まれるアルカリ総量は、3.0kg/m3以下。

建設リサイクル

【93】
特定建設資材は、「コンクリート」「コンクリート及び鉄から成る建設資材」「木材」「アスファルトコンクリート」。

【94】
解体工事業者は、工事現場における解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる技術管理者を選任しなければならない。

【95】
建設業を営む者は、建設資材の選択や施工方法などの工夫により、建設資材廃棄物の発生を抑制するとともに、分別解体等及び建設資材廃棄物等に要する費用を低減するよう努めなければならない。

【96】
分別解体及び再資源化が義務付けられる工事は、特定建設資材を用いた以下の工事。

工事の種類 規模の基準
①建築物の解体 80㎡以上(床面積)
②建築物の新築・増設 500㎡以上(床面積)
③建築物の修繕、模様替(リフォームなど) 1億円以上(請負代金)
④その他の工作物に関する工事 500万円以上(請負代金)

廃棄物の処理

【97】産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定める廃棄物のこと。

【98】事業者の責務
産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら管理するときは、原則としてあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。なお、非常災害時の応急措置の場合は、保管した日から14日以内に届け出なければならない。

【99】産業廃棄物管理票(マニフェスト)
廃棄物の種類及び数量、委託者の氏名または名称、その他の環境省令で定める事項を記載したもの。
マニフェスト交付者は、環境省令で定めるところにより、このマニフェストに関する報告書を作成し、これを都道府県知事に届け出なければならない。
マニフェストの交付者は、産業廃棄物の処分が終了したことを写しにより確認し、その写しを交付した日から5年間保管しなければならない。

【100】委託契約
産業廃棄物の運搬または処分を業とする者に委託した場合、事業者は産業廃棄物の引き渡しと同時に、マニフェストを交付しなくてはならない。

終わりに

以上、試験直前に覚えること100選でした。

覚えやすいこと、試験に出ることを絞りに絞りました。

1つひとつの内容はサクッと読めるようにしているので、スキマ時間でも手軽に勉強できます。
一度読んで終わりではなく、スキマ時間に何度も見返して、頭に入れてください。
ブクマしておいていつでも見返せる状態にしておくことをおすすめします。

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作者紹介 佐藤拓真さん

作者紹介 佐藤拓真さん

準大手ゼネコンで土木の現場監督として7年勤務。建設業界関連で合計11年働いています。自身のブログ 『つちとき』 では、若手の土木技術者に向けて工事現場で実際に学んだ知識を公開中。X(旧Twitter) でも情報発信しており、フォロワーは合計2.3万人。プライベートでは娘が2人いる30代の父親です。著書『しくみ図解 土木工事が一番わかる」

◆佐藤拓真さんのブログ 土木工学と建設業のブログ『つちとき』
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