【建設業】帳簿と図書の保管義務とは?建設業許可取得後の義務を解説!

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建設業法

【建設業】帳簿と図書の保管義務とは?建設業許可取得後の義務を解説!


行政書士宮城彩奈

こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。



まさお

建設工事を請負ったら、何かと記録するものが出てくるのではないかと思うのだけど、教えてほしいな。




目次



建設業者の帳簿保管義務とは?

晴れて建設業許可を取得すると、様々な届出義務が発生しますが、その中の1つとして「帳簿の保管義務」があります。

建設業者は国土交通省令で定める内容を営業所ごとに、帳簿・図書を5年間、発注者と締結した住宅を新築する建設工事については10年間、保存しなければならないとされています。(建設業法施行規則第28条)



帳簿の記載内容とは?

帳簿に記載すべき内容は建設業法施行規則第26条に定められています。

  1. 営業所の代表者の氏名およびその者が営業所の代表者となった年月日
  2. 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する事項
    • ・請け負った建設工事の名称および工事現場の所在地
      ・注文者と請負契約をした年月日
      ・注文者の商号・名称(氏名)、住所、許可番号
      ・請け負った建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日
      ・工事目的物を注文者に引き渡した年月日
  3. 発注者と締結した住宅を新築する建設工事の請負契約に関する事項
    • ・当該住宅の床面積
      ・建設瑕疵負担割合(発注者と複数の建設業者の間で請負契約が締結された場合)
      ・住宅瑕疵担保責任保険法人の名称(資力確保措置を保険により行った場合)
  4. 下請負人と締結した建設工事の下請け契約に関する事項
    • ・下請負人に請け負わせた建設工事の名称および工事現場の所在地
      ・下請負人と下請契約を締結した年月日
      ・下請負人の商号・名称、住所、許可番号
      ・下請負人に請け負わせた建設工事の確認を確認するための検査を完了した年月日
      ・下請け工事の目的物について下請負人から引き渡しを受けた年月日



資本金4,000万円未満の法人または個人と下請契約を締結した場合

特定建設業が注文者となって資本金4,000万円未満の法人または個人である一般建設業者と下請契約を締結した時は、上記に加えて、以下の事項を記録しなければなりません。

  1. 支払った下請代金の額、支払い年月日および支払い手段
  2. 支払手形を交付したときは、その支払手形の金額、交付年月日および手形の満期
  3. 下請代金の一部を支払ったときは、その後の下請代金の残額
  4. 遅延利息を支払ったときは、その額および支払い年月日

帳簿は、データで保存する方法(電磁的記録)でも構いません。





添付して保存しなければならない資料とは?

帳簿には、契約書(写しOK)またはその電磁的記録を添付しなければなりません。
また、以下の場合にはこれらの資料に加えて、以下の資料を添付しなければなりません。

  1. 特定建設業者が注文者となって資本金4,000万円未満の法人または個人である一般建設業者と下請契約を締結した場合は、下請負人に支払った下請代金の額、支払い年月日および支払い手段を証明する領収書等(写しOK)
  2. 自社が、発注者から直接請け負った建設工事について、公共工事にあっては下請契約を締結した場合、それ以外の建設工事にあっては下請契約の総額が4,000万円(建築一式の場合は6,000万円)以上となる場合は、工事完成後(建設業法施行規則第第26条第3項)に施工体制台帳のうち以下に掲げる事項が記載された部分を添付
    • ・自社が実際に工事現場に置いた主任技術者または監理技術者の氏名およびその有する主任技術者資格または監理技術者資格
      ・自社が主任技術者または監理技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容およびその有する主任技術者資格
      ・下請負人の商号または名称および建設業許可番号
      ・下請負人に請け負わせた建設工事の内容および工期
      ・下請負人が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名およびその有する主任技術者資格
      ・下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容およびその有する主任技術者資格

帳簿は、データで保存する方法(電磁的記録)でも構いません。





資料の保管期間は?

発注者から直接建設工事を請負った場合は、営業所ごとに、以下の営業に関する図書を当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保管しなければなりません。

  1. 完成図(建設業者が作成した場合または発注者から受領した場合のみ)
  2. 工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録(相互に交付したもののみ)
  3. 施工体系図(法令上施工体系図の作成が義務付けられている場合のみ)
    ※公共工事にあっては下請契約を締結した場合、それ以外の建設工事にあっては下請契約の総額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)となる場合

図書は、データで保存する方法(電磁的記録)でも構いません。





建設業法違反となる事例は?

  ✕ 建設業を営む営業所に帳簿および添付書類が備え付けられていなかった     

  ✕ 帳簿および添付資料は備え付けられていたが、5年間保存されていなかった   

  ✕ 発注者から直接請け負った建設工事の完成図等の営業に関する図書が、10年間
    保存されていなかった                           


行政書士宮城彩奈

事例としている上の3つは建設業法第40条の3に違反します。



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